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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社Lifemake 代表取締役/CEO 工藤 誠 

整体サロン経営者の悩みに寄り添うコンサルティングとは

理学療法士の多様なキャリアを示し、「自分らしい生き方」を支援

株式会社Lifemake 代表取締役/CEO 工藤 誠 

自由な働き方を夢見て整体サロンを開業するものの、店舗運営のノウハウを十分学ばずに独立してしまい、経営が立ち行かなくなる理学療法士の例が少なくないという。そうしたサロン経営者に対して、理学療法士ならではの経営ノウハウを伝授するコンサルティングを提供しているのがLifemakeだ。代表の工藤氏は、「独立開業だけでなく、多くの選択肢を示すことで、その人らしい生き方が実現できる」と語る。同氏に整体サロン経営者の支援にかける想いを聞いた。

顧客に寄り添った伴走支援で、100以上の店舗経営を改善

―事業内容を教えてください。

 おもに整体サロンの経営者に対して、店舗の経営改善に向けたコンサルティングを提供しています。整体サロンは、体の不調や痛みを改善するという面で理学療法士の施術の技法を活かしやすく、その有資格者が独立して開業するケースが多いです。理学療法士は経営のプロではないため、外部にコンサルティングを依頼することが多いのですが、じつは担当者が現場での実務を熟知していないケースもよく見られます。その場合、たとえば、整体のお客さまに対する接し方などについて、「丁寧な言葉遣い」など一般的なサービス業のアドバイスに終始しがちです。その点、私は、お客さまに対する立ち居振る舞いや立ち位置なども含め、整体のお客さまから「マイナスに思われない対応」を助言できます。私自身が理学療法士としてのキャリアがありますので、こうした現場での実務を熟知したコンサルティングができるのが持ち味です。

―どのようなコンサルティングを提供しているのですか。

 私のコンサルティングの特徴は、具体的な行動や手順を示したアクションプランを示す点にあります。「次に何をしたらいいか」と迷って手を打てないまま、経営状況をさらに悪化させているクライアントが多く、それを防ぐためです。そもそも、自店舗の経営状況を十分に理解していないことから、「経営改善のためにコンサルタントに何を聞いたらいいかわからない」という経営者も非常に多くいます。そのため、クライアントにはまず、週ごとの進捗報告として、当社が用意するフォーマットに売上・利益や新規・既存客数、リピート率などを記入してもらいます。それらに対して、たとえば、「リピート率が目標を下回っているのであれば、声がけなどお客さまに対する接遇の仕方を見直そう」といった具体的な施策を提示するのです。次回以後に取り組みの成果を報告してもらい、徐々に改善を図っていきます。サロン経営者はこうした経営上の数字を読み解く経験に乏しい場合が少なくありません。ですから、「週次のデータ解釈は私が行います。あなたは次回までにこのように行動してください」と具体的に伝えるのです。こうした徹底的な伴走支援はクライアントにとって手間と時間がかかります。しかし、この手法により、これまで100以上の店舗を経営改善に導くことができました。

―そこまでクライアントに寄り添った支援を行う理由を聞かせてください。

 理学療法士の経営者に、「自分らしい生き方」を実現してほしいからです。その根底には、「せっかく独立開業したのに、自分らしく生きられていない人」が非常に多いことがあります。私には、そういった人を応援し、自分らしさを取り戻すお手伝いをしたいという想いがあります。なぜなら、私自身が「自分らしく生きたい」とずっと願っていた経緯があるからです。学生時代は引っ込み思案で、友人関係を上手に築けませんでした。自分の言いたいこともうまく口にできず、学校に行くのがとてもストレスの多い毎日でした。その中で、専門性の高い仕事をすることで狭い学校の世界から脱出し、「自分らしく生きよう」と考えたのです。

 そして「医療関係の仕事がしたい」と理学療法士の国家資格を取得。病院に勤務するようになってからは、「患者さんに選ばれる理学療法士になりたい」と、施術のスキルを上げるための勉強会に積極的に参加しました。「患者さんに喜んでもらえている」という実感も得られて充実していました。ただ、「理学療法士として生きる場所は、病院以外にない」と思い込んで、院内の狭い世界で自らの可能性を閉ざしてしまっている人も少なくありません。能力を十分に発揮できないまま辞めていく理学療法士もたくさん見てきました。自分らしさを発揮できずに終わってしまうその姿は、まるで、やりたいことをやり切れなかったかつての自分のようでした。

 そこで、理学療法士のキャリアを活かしながら、病院以外でも生きる道を示すため、「自分がロールモデルになれれば」という想いが徐々に募りました。「自分だけでなく、より多くの人のその人らしい生き方の実現をお手伝いできる仕事は何か」と考え、コンサルタントとして起業する道を選びました。病院勤務時代からマーケティングやビジネスを学ぶセミナーにも頻繁に参加して準備し、2022年に起業したのです。

独立開業だけでなく、FCや直営店での働き方も提示

―工藤さんが経営で大事にしていることを教えてください。

 「クライアントにとっての幸せは何か」を考えることです。人によって、幸せの形はさまざまです。そのため、独立開業だけでなく、顧客の「自分らしい生き方」に合わせた多様な選択肢を示すようにしています。コンサルティングの提供だけでなく、グループが運営するFC店や直営店の整体サロンで勤務する働き方も提示できるのが当社の強みです。たとえば、独立独歩の経営者として、これからも自分らしい生き方を追求していきたいという人には、経営の立て直しや集客の改善に向けたコンサルティングを行います。一方、従業員の管理マネジメントに関心があり、「お客さまに喜んでもらえる理学療法士をどうやったら育てられるか」を考えることが自分に合っていると思う人には、FC店への参画が向いているかもしれません。そういう人には、「プレーヤー兼オーナー」という形で後進を育てながら、グループのフランチャイズ展開に尽力してほしいと思います。また、「経営のかじ取りよりも、いち理学療法士としてさまざまな顧客と現場でかかわりたい」という人には、直営店に勤務することもお勧めできます。理学療法士としてのスキルをさらに磨き、多くのお客さまの生活の質を向上させることに貢献してほしいと思います。このようにさまざまな働き方の選択肢をLifemakeが提示することで、クライアントは「本当に自分らしく生きるためにはどういう働き方が良いか」を知ることができますし、理想の生き方を実現できると考えています。

―今後のビジョンを教えてください。

 当社の掲げるミッション「事業を通して自分らしく生きる人を創造する」の通り、コンサルティングをきっかけに、もっと多くの「自分らしい生き方」を応援したいですね。整体は男性が多い業界ですが、当社であれば、起業も含め、女性にもどんどん挑戦してもらえる選択肢を提供できます。ぜひ多くの人に自分らしく生きられるようになってほしいですね。
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