株式会社BORDERLESS　代表取締役　髙橋翔吾

3つの独自研修で、求職者の「自己理解」を深める

―事業内容を教えてください。

　当社は、営業代行を中心としたセールスプロモーション事業を軸に、人材アウトソーシング事業や求人広告の運用といった採用支援事業を行う総合人材会社です。起業からまだ3期目ではありますが、右肩上がりで業績を伸ばしており、幅広い業界のクライアントから高い評価をいただいております。こうした成果を得られているのは、私が独自に生み出した理論に基づいた研修やキャリア教育を施すことで、労働意欲の高い人材を送り出せているからにほかならないと自負しています。

―どのような点が独自なのでしょう。

　労働に対する価値観を本質的に変革させるという点です。私は、前職で人材派遣業に携わってきましたが、就業者から話を聞くと、多くが労働を「そう決められているからやらなければならないもの」程度にしか捉えていませんでした。しかし、私は従前から労働を「人生を充実させるためにやるべき手段」だと考えており、それを就業者の方々に熱心に伝えたところ、離職率も低下し、労働意欲も向上して前向きなキャリアを歩む人が増えたのです。このとき、「労働への価値観を変えられれば、その労働が生み出す価値そのものも向上できるのではないか」と気づいたのです。この経験をもとに、当社ではより具体的に体系づけ、明確に言語化された理論を提供することで、求職者の労働価値の変革を促しています。

―具体的に、どのような研修やキャリア支援をしているのですか。

　当社ではまず、すべての求職者に「本質理解研修」「社会情勢研修」「自己理解研修」を、段階的に受けてもらっています。まず「本質理解研修」では、物事を表面上の認識で捉えるのではなく、原因などを深く知ることで本質を理解するといった能力を養います。ここで重要なのは知識そのものではなく、「物事の本質を見極める視点」を身につけ、自己理解する際にも用いることです。次の「社会情勢研修」は、現在の社会情勢を伝え、「なぜ自分の給料はこのぐらいなのか」など、社会と自分自身を相対的に見極める視点を養います。最後の「自己理解研修」では、MBTI(※)と心相科学(※)を組み合わせた当社独自のAIツールを用いて、自身の感情が過去のどのような状況・出来事によって、変化してきたかという「ライフラインチャート」を分析します。これによって、客観的に「自分がどのような人間なのか」を知ることができます。こうした３つの研修を設けているのは、求職者が「自己理解」を深めることを重視しているからです。

※MBTI : 自分自身の心の認知パターンを理解し、コミュニケーションやキャリア選択に役立てるためのツール。16の性格タイプに分類される
※心相科学 : 誕生日から導き出される3つの数字を用いて、性格や相性、運気などを読み解く理論

継続性のある成長を促す、ゲーミフィケーション制度

―なぜ「自己理解」が重要なのでしょう。

　当社では、野心はあるけれどキャリアに悩む人を、年齢に関係なく「ワカモノ」と定義していますが、そういった方々の多くは「自己理解」が不足しているためにキャリアに損失が生じていると考えるからです。たとえば、ある人が営業会社でどんなに頑張っても「無能」と呼ばれていたとしましょう。しかし、その人は本来、物事をコツコツと進めることが得意で、じつはエンジニアなどに適していたため、転職したら周囲の評価が「有能」になることがあります。単純に「自己理解」が不足していたために周囲からも理解されなかったのです。私は、そのような事例を何度も目の当たりにしてきました。だからこそ、私はこの世に「無能な人材」なんて一人もいないと断言しています。どんな人材でも、適切な「自己理解」を得られれば、キャリアで進むべき道も自ずと開き、進むべきキャリアの第一歩を踏み間違えることもありません。

　さらに、当社は「ワカモノ」が「さらなる有能な人材」へ成長する第二歩、第三歩を促すために「ワカモノラボ」というスクールを設けてキャリアアップを支援しています。

―その「ワカモノラボ」では、どのようなキャリア支援を行っているのですか。

　ワカモノラボとは、ある職種に必要な知識や技術、姿勢などを問うテスト「クエスト」をクリアし、自己のキャリアを積み上げていくゲームそのものです。このような仕組みを設けたのは、人が変わっていく過程における「興味・関心の継続性」を重視しているからです。誰でも興味がある事柄は続けられますよね。私は、興味を引くトリガーとなるのはエンタメ性にあると考え、社内制度すべてにゲーミフィケーションを導入しています。たとえば、ラボ生(社内メンバーの呼称)のレベルに合わせて四半期ごとに「ポイント配布」をしており、そのポイントを使って社内で働きやすい権利を購入できたり、コミュニティ形成の一環で趣味を共有できる部活動があったりします。ほかにも多様な社内制度を設けており、これが当社で働くことへの「興味・関心の継続性」につながっています。

　さらに、自己理解が深まったラボ生には「感情資産マップ」を用いて、「ライフラインチャート分析」を行い、労働に対する目的を細かく選んで「なぜやるのか？」の動機づけも行います。ほかにも働きながら学べる自社開発のオンラインスクールで、「AI×専門スキル」という講座をラボ生へ提供しています。こうしたエンタメ性ある社内制度により、各メンバーの目的開発と差別化可能なスキルのエンチャント(※)を実現し、「ワカモノ」の可能性を広げているのです。

※エンチャント : 防具・道具・武器に付与できる強化性能や特殊な効果、またはそれらを付与する行為や仕組みのこと

―ユニークなキャリア支援ですが、実際にどのような成果が得られていますか。

　じつは、当社には「どうしても遅刻する癖が改善しなかった」「自己破滅型の生活をしていた」社員も在籍しています。彼らは、かつては「無能」と呼べる人材だったかもしれません。しかし、研修から「クエスト」攻略を経て、当社の正社員に登りつめ、いまでは「有能」な戦力として日々業務に取り組んでくれています。こうした成長を促せたのは、彼らが研修や「クエスト」を通じて、仕事の価値観を「Must（しなければならない）」ではなく、「Should（すべきこと）」へ変革できたからです。この劇的な変化を起こし、一人ひとりの価値そのものを向上することを、当社では「労働3.0」と呼んでいます。

　この「労働3.0」を自分自身で起こせれば、どんな人材でも「無能」であり続けることはないと、私は断言します。「思い描いていた社会人になれなかった」「大きなことをしたいけどキッカケがつかめない」と思い悩んでいる人は、ぜひ当社に来てください。我々が必ずやみなさんの「労働3.0」を起こしてみせます。

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