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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社GRAND 代表取締役 山元 大地

創業3年目で売上高100億円を見込む不動産ベンチャー・トップの想い

業界の歴史を継ぎ、新たな発想でかかわる人たちすべてを豊かにする

株式会社GRAND 代表取締役 山元 大地

京都に本拠を構え、総合不動産事業を展開しているGRAND。創業3年目で売上高100億円を見込むなど急成長を遂げている。同社代表の山元氏は、「創業1年目からデベロップメント事業として、自社ブランドの物件を開発・販売できたのが成長のエンジンになった」と話す。創業1年目の会社が、なぜそのような実績を残すことができたのだろうか。同氏に、そうした取り組みの詳細や、事業に対する想い、今後のビジョンなどを聞いた。
※下記はベンチャー通信94号(2026年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
株式会社GRAND
代表取締役
山元 大地やまもと だいち
滋賀県生まれ、神奈川県横浜市育ち。専門学校を卒業後、大手服飾メーカーに入社。2019年に不動産会社へ入社し、住宅の買取や新築戸建ての開発・販売などを担当する。2023年に株式会社GRANDを設立し、代表取締役に就任。

創業時の不動産ベンチャーが通常行わない戦略を実施

―事業内容を教えてください。

 大きく4つの事業を展開しています。1つ目は不動産買取再生事業です。資産価値の向上を見据えて厳選した物件を取得し、リノベーション設計により新たな価値を創出しています。「未来に選ばれ続ける不動産」を目指し、長期的視点で価値向上に取り組んでいます。2つ目は不動産売買仲介事業です。売主・買主双方のニーズを的確に把握し、地域特性を踏まえた情報提供と専門的なサポートにより、円滑で適正な取引の実現に努めています。3つ目は建売および宅地分譲事業です。「暮らす」という視点を重視し、デザイン性と機能性を兼ね備えた住まいを企画・提供し、豊かな日常を支える住宅づくりを追求しています。4つ目はデベロップメント事業です。立地特性を見極めながら地域と調和する物件の開発を行い、安全性と快適性を備えた不動産の創出を目指しています。

―GRANDの特徴はなんでしょう。

 徹底したマーケティング調査力と、創業1年目からデベロップメント事業に取り組んだことです。マーケティング調査力では、エリア特性や需給バランス、競合状況などを多角的に分析し、マーケティングツールや社内DXツールも積極的に導入することで、情報収集と意思決定の精度やスピードを高めています。そして、少数精鋭による現場を起点とした高い実行力でニーズに合ったプランを具現化しています。さらに、デベロップメント事業は、創業1年目から実行できたことが大きいです。一般的にこの分野は資金力や実績が求められるため、創業間もない不動産ベンチャーが取り組むことは容易ではありません。しかし当社は実行し、現在は自社ブランドとして『GRAND CASA(木造)』『GRAND CORTE(鉄骨)』『GRAND CIELO(RC)』という構造別の『GRAND Cシリーズ』を展開し、用途や立地に応じた最適な不動産開発を行っています。

―なぜそれを実現できたのですか。

 単刀直入に言うと、創業間もない不動産ベンチャーが通常行わない戦略を実施したからです。私は前職で住宅開発を手がけた経験しかありませんでしたが、近い未来に、デベロップメント事業に取り組みたいと考えていました。そんななか、独立前に「購入したい」と思える事業用地を見つけました。独立後、まず私が事前に用意していた事業準備資金で事業用地を購入しましたが、物件の建築費用はありませんでした。とはいえ、実績のない当社に金融機関から融資を得られるはずもありません。そこで、デベロップメント事業で豊富な実績をもつ不動産会社と協業することで、当社の代わりに金融機関から資金を調達してもらい、自社ブランドの1棟収益物件を建てたのです。私が知る限り、創業1年目の不動産ベンチャーでは、前例の少ない実績だと思います。

経営者からのアドバイスで、協業の知見を得た

―協業ができた理由を教えてください。

 協業してくれた会社の経営者からのアドバイスがあったからです。私は独立前、あらゆる分野の社長に話を聞きに行き、会社を成長させるヒントを得ようとしていました。なかでも、私の前職時代と同様に、住宅領域を軸に手がけている経営者の方々は「創業時代は厳しく苦しかった」と共通して話されていました。そこで私は「早く会社を成長させるため、創業時から住宅の事業だけでなくデベロップメント事業に参入する」と決意しました。そんななか、協業してくれた経営者は「私が創業時代に戻れば協業を選ぶ。そのほうが会社の成長スピードが速いから」と話してくれました。私自身、当社の副社長と前職時代にライバル関係でしたが、彼が扱う物件を私が買い取るなど協業したことを機に、共に会社を創業した経緯があります。だからこそ、その経営者に「協業してください」とお願いできました。それが成果となり、未来の信頼と実績の獲得につながりました。そしてさらに、創業1年目から未来への投資を行いました。

―具体的に聞かせてください。

 デベロップメント事業を伸ばしていくことなどを見越し、金融機関に融資してもらうためのプレゼンを行いました。「創業間もない不動産ベンチャー企業には絶対に融資してもらえない」と最初からあきらめる経営者は多いと思います。しかし私は、協業した経営者の力添えがあり、実行できました。実績もないなか1年間の事業計画書をつくり、「1年目でデベロップメント事業を行い、以降さらに強化していく」と伝えたほか、5年後の未来の姿をプレゼンしました。約100枚のIRレベルの資料を作成し、1週間ごとに事業の進捗を報告していました。当初は「本当にできるの?」と金融機関の担当者は懐疑的でしたが、実際に自社ブランドの1棟収益物件を開発・販売した実績が評価され、信頼を勝ち取ることに成功しました。その後、2期目から融資を受け、会社のさらなる成長の礎となりました。

1社で取り組むより、Win-Winの関係になれる

―既成概念を覆す発想と行動が、GRANDの成長を下支えしたのですね。

 まさにそのとおりです。その結果、1期目の売上高は2億800万円、2期目は31億6,300万円、3期目は100億円を見込むなど、創業時に立てた事業計画よりも、2年早く目標を達成することができました。こうした経験を踏まえ、当社では同業他社と「競う」のではなく「協業」することをつねに意識しています。やはりそのほうが、1社で取り組むよりも成長スピードが速く、お互いWin-Winの関係になれるからです。思えば、私は独立する前から「不動産会社同士が争うのではなく協力し合っていけば、市場はもっと発展していくだろう」という考えをもっていましたが、こうした経験からその発想は間違っていなかったと確信しました。現在は、この協業の輪を広げていくことが地域社会の発展にも寄与していくものだと考えるようになり、メンバーにも浸透させています。

エリアを拡大していき、3年後にIPOを目指す

―今後のビジョンを教えてください。

 不動産を単なる取引対象ではなく、価値ある「資産」としてとらえ、高付加価値なデベロップメント事業に注力していきます。

 その象徴として、自社ブランド『GRAND Cシリーズ』をさらに展開し、デザイン性と事業性を高い次元で両立する企画開発を推進します。また現在は、本社のある京都のほか、東京と大阪にも拠点を置いていますが、今後はさらにこの3拠点での活動を本格化していきます。不動産物件を取り扱うエリアをさらに拡大していくことで、150億円、250億円と売上高を伸ばし、3年後にIPOを目指します。そして、「不動産で豊かな未来をデザインする」というビジョンの実現に向け、ゆくゆくは多くの人たちが集まり、楽しめる商業施設などの空間づくりにもかかわっていきたいですね。

 さらに、私には不動産ビジネスを行っていくうえでの使命があると考えています。
2026年、京都府内に完成させた自社ビル「GRAND BLDG」に本社を移転

―どのような使命ですか。

 これまで紡いできた不動産業界の歴史を引き継ぎ、次世代へとその価値をつないでいくことです。不動産業界は歴史が長いぶん、旧態依然と見られる側面があります。私は、協業に共感しあえる同業他社とともに、業界の古き良き伝統を守りつつも、不動産業界の見られ方や印象を変えていきたいと考えているのです。そこで、私が先頭に立って「協業」を業界や世の中に発信していきます。そして、同じ考えを持つ経営者の方々とネットワークを構築し、今までと違う1つ上の景色をみんなで共有していきたいですね。そうすることによって、個人・法人の取引先や金融機関など、GRANDにかかわるすべての人たちが豊かになれるような環境をつくって循環させていきたいです。こうした想いに賛同してもらえる、特に若い不動産業の経営者の方々は、ぜひお声がけください。
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