INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
利益追求だけではなく、社会正義性も追求する
エン・ジャパン株式会社 代表取締役会長 越智 通勝
エン・ジャパンの成長が止まらない。売上、経常利益、経常利益率などでネット求人広告専業の中でトップをひた走っている。これはエン・ジャパンが目先の利益ではなく、社会全体をよくしていきたいという“社会正義性”を追求してきた結果である。単に収益をあげるのは社会貢献で、その上位概念が社会正義。今回はエン・ジャパン社長の越智に取材した。
※下記はベンチャー通信26号(2007年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
―まず御社の事業内容を教えてもらえますか。
越智:ネットを活用した求人求職情報サービスと人材採用から社員教育、人事評価制度までのコンサルティングをしています。運営サイトとしては、「[en]社会人の転職情報」、「[en]転職コンサルタント」、「[en]派遣のお仕事情報」、「[en]本気のアルバイト」、「[en]学生の就職情報」となっています。おかげさまでネット求人広告専業では、売上および経常利益、経常利益率で業界No.1になっています。
―越智さんはいつ頃から起業家になりたいと思い始めたのですか。
越智:もともと親戚に起業家が多かったんですよ。その影響が一番大きいと思います。父も四国から出てきて起業しました。私は男5人、女1人の6人兄弟の末っ子でした。今では兄弟6人全員が経営者です。起業するのが当たり前の環境だったんです。起業家を目指す直接のきっかけは中学生の頃ですね。13歳の時に長男の兄が食品メーカーを起業しました。兄の起業をはたで見て、将来は自分も会社を起こして成功したいと思いました。でも反面、いきなり社長になることに劣等感も感じていました。
―劣等感というと。
越智:サラリーマンだと上からも下からもプレッシャーがあるじゃないですか。でも、社長は自分がトップだから甘くなる部分もあると思ったんです。社長って言うと、わがままなイメージがありました。だから一度きちんとサラリーマン経験を積んで、その後に社長になろうと思いました。社長よりもサラリーマンの方が大変だと思ったんです。サラリーマンの方がエライと(笑)。また私の育ちが関西の芦屋で、父も経営者。そういった“芦屋のお坊ちゃん”というぬるま湯の環境にも劣等感を感じていました。もっと厳しい環境で自分を鍛えたいと常に考えていました。だから高校もあえて岡山にある全寮制の高校に入学したんです。その高校はスパルタ教育で有名だったので、相当に鍛えられましたね。
―新卒で入社したアパレルメーカーを2年で辞めたそうですね。
越智:仕事は順調でした。会社の居心地もよく何不自由ない生活でした。しかし、このままでいいのかと自問自答するようになったんです。こんな楽でいいのかと。もっと厳しいところで若いうちは働きたい。そう思うようになったんです。この時期はホント悩みましたね。そのおかげで今の私があると思っています。商売の本質である“利他の精神”もこの時期に理解しました。しかし“利他の精神”について本当に自分の腹に落ちたのは50歳を過ぎてからですけどね。
―それまでは腹に落ちていなかったんですか。
越智:若い頃は、“利他”って言うと偽善に聞こえた。“利他”と言っても、どこか“利己”も入っているだろうと。でも、私も30代、40代と多くの失敗と成功を重ねて、ようやく“利他の精神”が自分の腹に落ちて、心の底からそういうことを本気で言えるようになりました。
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