INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
ネット黎明期に創業し、売上高1,000億円グループに成長させた起業家
大きな夢を描いて仲間を集め多くの笑顔を求めて走り続ける
GMOインターネット株式会社 代表取締役会長兼社長 グループ代表 熊谷 正寿
資金なし、学歴なし、人脈なし。ないないづくしだった1991年に起業。「とてつもない夢」を追い求めた若者は、GMOインターネットグループを年間売上高1,000億円に達する規模に成長させた。熊谷氏はいま、次世代ベンチャー育成にも心を砕いている。自らの経験をもとに、時代をつくるリーダーとなるために必要な条件はなにか聞いた。
※下記はベンチャー通信58号(2014年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
「今日中にやる」ではなく「16時30分までにやる」
―2013年12月期の連結売上高が937億円と過去最高を記録し、今期は1000億円を超えると予想しています。高い成長を続ける秘訣はなんでしょう。
GMOインターネットグループとしての夢を全員で共有しながら、目標へ向けて最大限に速く、しかも継続して達成できる仕組みをつくっていることです。
私たちは、グループの理念を明文化した「スピリットベンチャー宣言」を掲げています。これはあらゆる活動のベースとなる定性的な目標。定量的な目標は長期的な成長をめざす「55ヵ年計画」に示しています。そして、これらに合致している限り、メンバーの行動に私は口を出さない。徹底して権限委譲しているのです。
たとえば、メンバーが私に業務報告をするとき、「今日中にやります」といったとしたら、これはダメ。「スピリットベンチャー宣言」のなかで『目標達成は「目標達成10箇条」をベースに行動する』と掲げている。この10箇条で、期限設定の重要性を述べています。期限のない目標はなく、期限のない仕事は雑用に過ぎない。だから業務報告をするときも、一人ひとりに分単位で期限を決めさせています。
「今日中」ではなくて、「今日の16時30分まで」と明確に伝えなくてはいけない。その場で確定できない場合は、いつまでに期限を伝えるか、「期限の期限」を設定させる。期限を限りなく短くして確認を繰り返す。それによりスピード経営を実現しているのです。
私たちは、グループの理念を明文化した「スピリットベンチャー宣言」を掲げています。これはあらゆる活動のベースとなる定性的な目標。定量的な目標は長期的な成長をめざす「55ヵ年計画」に示しています。そして、これらに合致している限り、メンバーの行動に私は口を出さない。徹底して権限委譲しているのです。
たとえば、メンバーが私に業務報告をするとき、「今日中にやります」といったとしたら、これはダメ。「スピリットベンチャー宣言」のなかで『目標達成は「目標達成10箇条」をベースに行動する』と掲げている。この10箇条で、期限設定の重要性を述べています。期限のない目標はなく、期限のない仕事は雑用に過ぎない。だから業務報告をするときも、一人ひとりに分単位で期限を決めさせています。
「今日中」ではなくて、「今日の16時30分まで」と明確に伝えなくてはいけない。その場で確定できない場合は、いつまでに期限を伝えるか、「期限の期限」を設定させる。期限を限りなく短くして確認を繰り返す。それによりスピード経営を実現しているのです。
―期限はメンバー自ら設定させているのですね。
そうです。自分で決めなければ、もし達成できなかったとき、他者に責任をおしつけることになりかねません。私たちのグループは、あらゆることが自己申告制・立候補制で進んでいく自走式の組織になっています。
自走式の組織をつくるポイントは3つあります。ひとつは、適切なタイミングで心からほめること。次に、適切なタイミングで成長を願ってしかること。そしていちばん難しく、いちばん大切なのが3つめ。一人ひとりに誇りをもたせることです。
誇りをもたせるには、自分の仕事の意味を深く理解させることが重要です。それを伝えていくのが、リーダーの役割だと思います。たとえば、私たちは国内最大のドメイン登録事業者です。でも、私はいつもメンバーに対して「ドメインを売るのが仕事ではない」といっています。私たちの使命は、多くの人がより速く、より豊かな情報にアクセスできるようにして、幸せにすること。どこよりもリーズナブルにドメインを提供することは、その使命を果たすための手段です。
モチベーションの源泉が金銭的報酬であれば、より金銭的な条件のよいほうへなびいてしまうでしょう。一方で、より高次の精神的な充足感を満たせることがモチベーションになっていれば、そう簡単に組織へのロイヤリティは失われません。その好例が宗教。信者のほうが寄付をしているにもかかわらず、2000年以上続いている宗教もある。経済的なインセンティブで保たれるモチベーションは薄っぺらいものです。
自走式の組織をつくるポイントは3つあります。ひとつは、適切なタイミングで心からほめること。次に、適切なタイミングで成長を願ってしかること。そしていちばん難しく、いちばん大切なのが3つめ。一人ひとりに誇りをもたせることです。
誇りをもたせるには、自分の仕事の意味を深く理解させることが重要です。それを伝えていくのが、リーダーの役割だと思います。たとえば、私たちは国内最大のドメイン登録事業者です。でも、私はいつもメンバーに対して「ドメインを売るのが仕事ではない」といっています。私たちの使命は、多くの人がより速く、より豊かな情報にアクセスできるようにして、幸せにすること。どこよりもリーズナブルにドメインを提供することは、その使命を果たすための手段です。
モチベーションの源泉が金銭的報酬であれば、より金銭的な条件のよいほうへなびいてしまうでしょう。一方で、より高次の精神的な充足感を満たせることがモチベーションになっていれば、そう簡単に組織へのロイヤリティは失われません。その好例が宗教。信者のほうが寄付をしているにもかかわらず、2000年以上続いている宗教もある。経済的なインセンティブで保たれるモチベーションは薄っぺらいものです。
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