INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
クロスボーダー取引で急成長する異色の不動産ベンチャー企業
徹底した「顧客満足の追求」の先に、目指すはアジアNo.1の不動産カンパニー
ポスト・リンテル株式会社 代表取締役社長兼CEO 坂東 多美緒
Sponsored ポスト・リンテル株式会社
設立わずか3期目で取扱高は100億円を見込む。顧客の8割以上が外国人投資家で、社員の4割が外国籍のプロフェッショナル集団―。国内不動産のクロスボーダー取引で急成長するポスト・リンテルは、そんな異色の不動産ベンチャー企業だ。業界でも成長株として注目される同社だが、代表の坂東氏は自社の成長に対して、「売上はひとつの結果。大事なのは顧客をいかに喜ばせられたか」と冷静に振り返る。そんな同氏に、成長の要因や事業へのこだわりなどを聞いた。
※下記はベンチャー通信79号(2020年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
人材の多様性と専門性こそが「競争力の源泉」
―事業内容を教えてください。
おもに不動産投資法人(リート)や私募ファンドといった海外の機関投資家向けに、日本国内の投資用不動産の提案をしています。提案内容は商業不動産の投資コンサルティング、運営管理、開発後を見すえた事業コンサルティング、土地開発から行う場合は建設のプロジェクトマネジメントまで、幅広く手がけているのが当社の特徴です。また、当社の取扱件数の8割以上は、中国、香港、台湾といった海外の顧客を相手にしたクロスボーダー取引が占めていることも同じく特徴と言えますね。
―なぜ、海外の顧客に絞り込んだ事業展開をしているのですか。
私は前職の不動産会社で海外事業を担当し、10ヵ国以上に顧客を抱えていた経験があります。そこでわかったのは、「日本の不動産は世界的に見て相対価値が非常に高いこと」と「多国間クロスボーダー取引をコンサルできる業者が少ないこと」でした。数百億円以上の大型物件を手がける大手業者や、数千万円の小型物件を手がける個人業者はいるのですが、その中間領域を担える業者はとても少ない。そこに当社が、事業の大きな可能性を見出したのです。
―海外の顧客を相手にするクロスボーダーの不動産取引には特別なノウハウが必要ではないですか。
確かに、海外の顧客を相手にすることには、多くの難しさがあります。国が違えば文化や商習慣は異なり、法体系や税制も各国独自のものがあります。また、見知らぬ海外に不動産を所有することで生じる顧客の心理的不安やコミュニケーションギャップにも行き届いた配慮が必要です。こうした事情に精通した、クロスボーダー取引のプロフェッショナルが揃っているのが、当社の強みですね。社員の4割は外国籍で、年齢層も20代から60代まで幅広い人材が、それぞれの専門性をもっている。この人材の多様性と専門性こそが当社の「競争力の源泉」です。
売上を捨ててでも「顧客満足の実現」を優先する
―それにしても、設立以来急速な成長を遂げていますね。要因はなんですか。
特別なことはしていません。ただ、「どうすれば顧客に喜んでもらえるか」を徹底して追求してきただけです。ですから当社には、「売上目標」はありません。あるのは、「顧客満足の追求」だけです。今期の業績に対して来期がかりに半減するようなことがあっても、それはそれでいいと考えます。それは、前職で海外向け不動産事業の統括責任者としてIPOを実現させた経験から生まれた、私の「信念」なんです。
―詳しく聞かせてください。
我々が扱っている不動産物件は投資商品ですから、市場の影響で価格が下振れすることもあります。顧客に対しては、もちろん安定した収益性を確保するための最大限の努力やノウハウは提供しますが、「絶対に価格は上がります」とは断言できない。一方で、相対価値が高い日本の不動産を扱っている以上、逆に顧客満足を追求する姿勢を保てていれば、一時的な変動はあったとしても、業績はいずれ必ず上がります。
そうしたなかで、もし売上目標に縛られてしまえば、売ることを優先し、顧客満足の追求をおろそかにしてしまいかねない。特に株主や市場の目がある上場企業では、そうしたジレンマが生まれやすい。日本にとどまらず、将来的にはアジア全域での事業展開を視野に入れている当社にとって、今必要なのは信用の積み重ねです。長い目で見た時には、今の売上の増減は小さい「誤差」になると思っています。
そうしたなかで、もし売上目標に縛られてしまえば、売ることを優先し、顧客満足の追求をおろそかにしてしまいかねない。特に株主や市場の目がある上場企業では、そうしたジレンマが生まれやすい。日本にとどまらず、将来的にはアジア全域での事業展開を視野に入れている当社にとって、今必要なのは信用の積み重ねです。長い目で見た時には、今の売上の増減は小さい「誤差」になると思っています。
アジアNo.1の不動産ソリューション企業へ
―現時点でIPOには関心はないと。
はい。少なくとも、今は必要ないと思っています。しかし、過去のIPO経験から、企業が持続的な成長を遂げるためには、会計や労務面での内部統制が重要であることも理解できました。ですから、当社では従来の不動産ベンチャーと比べてかなり厳しい内部管理体制を構築しています。当社では、IPOは「目指す」ものではなく「いつでもできる」ものと位置づけています。
―今後のビジョンを聞かせてください。
今後も不動産事業に軸足を置き、世界中の人々に不動産を通じて経済価値を提供していきたいです。市場は地球上のすべて。不動産に関するお困りごとを抱えた顧客がいれば、たとえ南極にだって出向く覚悟が私にはあります。ほかの会社にはできない、きめ細かなサービスとソリューションを揃えているのが当社の強みですから。「アジアNo.1の不動産ソリューションカンパニー」になることが、今の目標です。
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