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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社ファミリーコーポレーション 代表取締役 冨吉 範明

世界No.1の「M&A総合企業」に向けて、第二創業期を迎えたリーディングカンパニー

株式会社日本M&Aセンターホールディングス 代表取締役社長 三宅 卓
株式会社ファミリーコーポレーション 代表取締役 冨吉 範明

前ページでは、顧客を「勝たせる」提案の積み重ねにより、ときに逆風の吹く不動産投資業界において市場の信頼獲得に努めてきたというファミリーコーポレーションの理念を聞いた。逆風に立ち向かいながらもチャレンジャーたちが新たな市場を切り拓いてきた業界と言えば、かつて「ハゲタカ」や「敵対的買収」といった言葉とともにネガティブなイメージで語られたM&A業界もその一つかもしれない。そこで「ベンチャー通信ONLINE」では、ファミリーコーポレーションの代表、冨吉氏と、M&A仲介企業2社のトップによる異業種対談を実施。その第1弾では、M&A業界の黎明期から市場を牽引してきた日本M&Aセンターホールディングスの代表、三宅氏を招き、同業界における変革の歩みを振り返ってもらうとともに、次なるチャレンジを聞いた。

M&Aの本質的な意義を、地道に訴え続けてきた

―三宅さんは1991年、日本M&Aセンターの設立に参画しました。当時、創業メンバーはどのような想いで会社を立ち上げたのでしょうか。

三宅:当時は、中小企業における後継者不足問題が少しずつ表面化し始めていた時期でした。そうしたなかで我々は、後継者のいない会社を廃業させるのではなく、M&Aによって存続させることこそが、会社のあらゆるステークホルダー、ひいては日本経済を守ることにつながるという信念で、当社を立ち上げました。

 たとえば、M&Aによって譲渡された会社が若い経営者の傘下に入れば、そこには新しい事業ビジョンが拓け、従業員やその家族の夢も広がっていきます。会社を存続させることは、商品やサービスを購入した顧客や、取引を行うパートナー企業のためにもなるわけですから、本来は称賛されるべき行為になりうるのです。しかし当時、M&Aの目的はバブルではじけた企業の再生や、敵対的買収がほとんどでしたから、M&Aは「ハゲタカ」や「乗っ取り」といったネガティブな言葉で表現されていました。そこで当社はまず、M&Aを事業承継のための有効な手段として世の中に認知を広めていこうと、多くの挑戦を重ねてきました。

―具体的に、どのようなことを行ってきたのですか。

三宅:日本経済新聞に「後継社(者)を探します」というメッセージを記した全面広告を打って、M&Aに対する新しいイメージの形成を狙いました。また、地域の会計事務所や金融機関などとネットワークを構築し、事業承継に悩む中小企業経営者との接点づくりも図りました。M&Aへの理解を促すセミナーも定期的に開催してきましたね。今でこそ、当社がセミナーを開けば、オンラインを含め多くの参加者が集まってくれるようになりましたが、当初は会場にわずか2名しか来てくれないこともありました。そのような状況から当社は30年以上、まるで「伝道師」のようにM&Aの本来の価値や意義を地道に訴え続け、業界のイメージの刷新を図ってきたわけです。

―「業界のイメージを刷新する」と言えば、冨吉さんも同じようなことに取り組んでいると話していましたね。

冨吉:そうですね。M&A仲介業界と比べ、不動産業界の歴史は長いですが、倫理に反した一部の企業の行為により「不動産投資は危ない、怪しい」というネガティブなイメージがまだまだ根強いのが現状です。そうしたなかで当社は、資産形成をめぐる人々の悩みを解決することにこだわって事業を展開しています。当社と取引いただいたお客さまには、課題解決手段としての不動産の価値を十分に理解してもらえるのですが、不動産投資に対する世の中のイメージ全体を変えるには、まだまだ道のりは長いと感じているところです。

 M&Aそのものがネガティブな行為として日本中でとらえられていた頃から、三宅社長は企業の廃業を1社でも多く食い止めるべく、M&Aの意義を訴え続け、事業を約30年にわたって展開し続けてきました。そうした大きな使命感と地道な挑戦の積み重ねが会社を東証プライム市場へと導き、新しい業界を築いてきたのでしょうね。

業界の牽引役として、次なる目標は世界一

―お二人は今後、それぞれの業界においてどのような挑戦を行っていきますか。

三宅:M&Aの仲介にとどまらない、「世界一のM&A総合企業」を目指していきます。すでにM&A成約件数ではギネス世界記録(※)に3年連続で認定されています。近年は、M&Aの成約後のサポートを充実させるため、売り手企業と買い手企業が組織的融合性を高める「PMI(※)」に力を入れてきました。今後は、会社を譲渡した経営者たちに、いかに第2の人生をハッピーに過ごしてもらうか。異業種の企業とも協業しながら、そうしたサポートも行っていくことが、世界一のM&A総合企業を目指す我々が今後取り組んでいくべきことだと考えています。事業承継や財産活用に関する事業は、財産コンサルティング会社との合弁によってすでに展開を始めていますが、今後は、資産形成を含めてサポートするようなアフターフォローも本格化させていきたいと思っています。当社は現在、「第二創業期」を迎え、全社員が経営者マインドを持って仕事をしています。そしてこれから、冨吉社長のような志の高い若い経営者らとも一緒に、日本経済を盛り上げていきたいですね。

冨吉:ありがとうございます。今後は、投資用不動産が資産形成をサポートする有効な手段になっていくと思っています。当社は、一棟収益不動産の専門家として、中古アパートの販売棟数はすでに日本でトップレベルです。今後はさらに、大阪や福岡などのエリアにおける展開にもチャレンジしていく方針です。ただし、本当の意味で収益不動産の業界を健全に発展させていくには、まだまだやるべきことは多いと思っています。M&A業界における日本M&Aセンターさんのように、不動産投資業界の牽引役となることが、当社の目指すところです。
※ギネス世界記録 : M&Aフィナンシャルアドバイザリー業務の最多取り扱い企業として
※PMI :「Post Merger Integration」の略。M&A後の統合プロセス
三宅 卓(みやけ すぐる)プロフィール
1952年、兵庫県神戸市生まれ。大阪工業大学工学部経営工学科卒。1977年、日本オリベッティに入社し、金融機関を対象とする融資支援や国際業務のシステムの企画・販売などを担当。1991年、株式会社日本M&Aセンターの設立に参画。以来、中堅・中小企業M&Aの第一人者として、創業者の分林保弘氏(現:名誉会長)とともに同社を牽引してきた。
株式会社日本M&Aセンターホールディングス (東証プライム上場) 企業情報
設立1991年4月
資本金40億4,500円
売上高413億1,500万円(2023年3月期)
従業員数1,041名(連結・2023年12月末時点)
事業内容M&A仲介、PMI支援、企業評価の実施、上場支援、MBO支援、企業再生支援、コーポレートアドバイザリー、企業再編支援、資本政策・経営計画コンサルティング
URLhttps://www.nihon-ma.co.jp/groups/

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