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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社Heritage 代表取締役 加藤 隆裕

「素敵な」エンジニアたちとともに創り上げる新進IT企業の未来

地域になくてはならない存在として、長く受け継がれるIT企業をめざす

株式会社Heritage 代表取締役 加藤 隆裕

「次世代に受け継がれる会社でありたい」。そんな高い理想を掲げ、2023年2月に設立されたSES企業、Heritage。リファラルにこだわった採用手法によって在籍エンジニアを増やしてきたという同社の強みについて、同社代表の加藤氏は、「エンジニアの技術力のみならず、コミュニケーション力や人間力で評価を重ねてきた」と語る。着実に事業を成長させてきた同社はこの先、どのようなビジョンを描き、いかなる会社へと飛躍をめざすのか。同氏に聞いた。
株式会社Heritage
代表取締役
加藤 隆裕かとう たかひろ
1994年、埼玉県生まれ。獨協大学外国語学部フランス語学科卒業。大学卒業後は喫茶店勤務、家電配送、ルート営業と異なる業種でのキャリアを重ね、その後SES企業に会社員として入社しIT業界へ初めて足を踏み入れる。同社にて4年間にわたってテストエンジニアとしての経験を積んだ後、2023年2月に株式会社Heritageを設立し、代表取締役に就任。

「Heritage」という社名に込めた想い

―事業内容を教えてください。

 当社は、お客さまのもとへエンジニアを派遣し、課題解決を支援するSES企業です。業務領域は幅広く、PMO/PM、QA/テスト、Web系開発、インフラ・クラウドなどITのほとんどの領域をカバーしているのが当社の特徴の1つです。現在はまだ、在籍するエンジニアは10名と規模は小さいですが、クライアントは大手SIerや上場企業をはじめ、金融・通信・Web系など幅広い業界に拡大しています。

―起業の経緯は、どのようなものだったのですか。

 前職でSES企業に所属し、エンジニアとしてQA/テストを主軸に上流工程まで幅広く経験を積むなかで、「自分自身の価値を市場で試してみたい」という想いが募ったのが起業のきっかけでした。この間のエンジニア経験で私が感じたのは、技術力は当然として、ときにそれ以上に「コミュニケーション力」や「人間力」が、エンジニアの価値として高く評価されるという現実でした。いくら技術的に優秀でも、現場でチームに溶け込めなければエンジニアとしての価値は発揮できませんし、お客さまの課題解決に寄り添うこともできません。そこに気づき、私自身がエンジニアとしての自信を深めたことも起業につながっています。ですから、私にはエンジニアのスキルや経歴と同様、人間力を大切に評価したいとの想いがありますし、これまで当社がリファラル採用を続けてきた理由も、そこにありました。

 起業にあたって、生まれ育った埼玉への地元愛が強い私には、「地域社会になくてはならない会社」にしたい、そして「次世代に受け継がれる会社」でありたいとの想いもありました。そんな想いを表現するため、「受け継ぐ」「のこす」を意味するフランス語「Heritage(エリタージュ)」を社名に掲げました。

「自分の声が届く」という実感が、安心感とモチベーションを生む

―Heritageを経営するうえで、大切にしていることはなんですか。

 「エンジニアに損をさせない」という想いは持ち続けてきました。縁があって出会ったエンジニアには、「この会社に巡り会えてよかった」と思ってもらいたいですから、そのために単に待遇や給与の話だけではなく、キャリアや人生にとってプラスになる経験を提供することを心がけてきました。

 そして、設立間もないHeritageだからこそ、「一緒に会社を創り上げる」という想いもエンジニアたちと共有してきました。まだ規模が小さい当社は、代表の私とエンジニアとの距離は本当に近いです。そこからくる「自分の声が届く」という実感は、エンジニアの安心感とモチベーションにつながっているはずですし、主体性をもって働ける環境が生まれていると思っています。実際に、エンジニアたちの声をもとに「食費補助制度」や「時間給制度」を新設したこともありましたし、勤怠申請のさらなる簡略化を望む声が上がった際には、専用のツールの開発も行いました。

―主体性のあるエンジニアは、会社にとって大きな刺激になりますね。

 一番刺激を受けているのは、私自身かもしれません。じつは私は、設立当初はすべてを自分が決め、自分で引っ張るトップダウンの傾向がかなり強い人間でした。しかし、得意分野も考え方も異なる素敵なメンバーたちが加わってくれたことで、私自身の思考も徐々に変わっていきました。今では私が「右に行こう」と主張しても、メンバーが「本当に右で大丈夫ですか」と言ってくれるようにもなりました。まさに、会社の運営が文字通り「受け継がれている」と感じる場面が増えているんです。

 こうしたエンジニアの主体性は、現場でも発揮され、お客さまへの積極的な提案や当事者意識の強い立ち居振る舞いとなって表れます。これが当社エンジニアへの評価にもつながっているのは、うれしい効果ですね。エンジニアは仕事にも会社運営にも意識が高まり、おかげで私自身も経営に手を抜けなくなりました(笑)。

メンバーたちとともに、少しずつ理想に近づいている

―今後の経営ビジョンを聞かせてください。

 事業の成長をめざす過程で、今後はリファラル以外の手法でも新しい仲間を増やしていきたいと考えています。そして、量の拡大以上に、質の向上を重視していきます。せっかくこんなに素敵なエンジニアたちが集まってくれたので、受託開発や自社プロダクトの開発といったHeritageとしてのブランド価値を高めるようなサービスを生み出していきたいと考えています。そして、その成長の先には、「Heritage」に込めた、地域に貢献できる、なくてはならないIT企業になる。それが私の描く理想です。

 昨年、社会貢献活動の一環として、活動方針に共感したある特定非営利活動法人に寄付を行うことができました。起業時の念願が1つ叶えられたことや、それができる程度に経営的な余裕がわずかでも生まれたことに感慨深いものがありました。少しずつではありますが、メンバーたちとともに、理想に近づいている手応えがあります。
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