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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社日本取引所グループ 執行役員 上場推進担当 村田 雅幸

4年連続新規上場が増加中!

2014年IPO市場最前線

株式会社日本取引所グループ 執行役員 上場推進担当 村田 雅幸

熱い波が戻って来た─。いま、日本の新興市場が活況を呈している。2013年は58社がIPOを果たし、リーマン・ショック前の水準を超えた。しかも上場初値が公募価格を上回るケースが続出。このため上場を計画したり、予定を早めるベンチャー企業が増えている。そこで1999年の創刊以来、ベンチャーを応援してきた本誌では、このIPOブームを支えるキーパーソンを徹底取材。2014年のIPO市場を占う。
※下記はベンチャー通信特別号/2014年 IPO市場 最前線号(2014年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

アベノミクスを追い風に株価上昇率で他国を圧倒

 「ジャパン・イズ・バック」。2013年2月、訪米した安倍首相の講演タイトルだ。その通り、アベノミクスは日本経済をよみがえらせ、つい最近までこの国を覆っていた悲観論はウソのように消えつつある。2012年末の政権交代から、主要国のなかで飛びぬけて高い株価上昇率を記録(右下図参照)。これを追い風に、IPOを果たす企業が増加したのだ。

 この勢いは2014年も続くとみるむきが多い。アベノミクスの効果が薄れるリスクはあるものの、日本のベンチャー企業のポテンシャルは相当に高いからだ。

 日本取引所グループCEOの斉藤氏は2013年11月、新指数発表の記者会見で次のように語っている。「2012年末までの10年間、TOPIXを見ると1%動くか動かないか。世界の投資家から"上がらない市場"とみなされていた。でも、この10年間、日本株は本当にダメだったのか。ROE※を中心に見直してみると、株価が5倍とか7倍とかになっている会社もあるのです」。

 TOPIXは発行株式数の加重平均で算出されるため、多くの株を発行している大企業のパフォーマンスが悪いと、成長しているベンチャー企業のパフォーマンスが指数にあらわれてこない。そこで開発された新株価指数が「JPX日経インデックス400」だ。これはROEの高さなどを中心に選定された400銘柄の株価の動きをあらわすもの。2014年1月から算出が開始される。新指数を開発したねらいについて、同氏は次のように話している。「ベンチャー企業の経営者の方々を勇気づけたい。"チャレンジしたらこんな成績が出るよ"ということを見せたいという気持ちがあります。試算してみると新指数はTOPIXを上回っている。資本効率を意識して経営している会社の株は評価されているということがわかると思います。そして、海外の投資家に日本株はそんなにダメじゃないんだよ、ということをアピールしたい」。

オールジャパンで上場を支援する

 ベンチャー企業の経営者にとって、いまはIPO計画を推進するのに絶好の時機といえるかもしれない。景気の低迷期に、新興市場を盛りあげようと上場を支援するさまざまな仕組みがつくられており、それを利用できるからだ。

 証券取引所もベンチャー企業をあとおしする。東証・大証の統合により、両者のノウハウも結集。日本取引所グループ発足後、全国でキックオフ・イベントとして展開した「IPOジャパン~上場の力で日本を元気に~」を皮切りに、IPOを推進する活動を継続している。
※ROE:Return On Equity。自己資本利益率。株主の投資額に対してどれだけ効率的に利益を獲得したかを示す指標。
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