小柄ながら異様なまでに存在感のある中島武は、その独特のセンスを活かし、様々な業態のレストランを作り続けている。彼は、「紅虎餃子房」、「胡同マンダリン」など、最近話題のレストランの仕掛け人だ。そんなスタイリッシュなレストランを、いかにして全国に200店舗も展開させることができたのであろうか。中島武の起業家半生に迫ってみた。
※下記はベンチャー通信7号(2003年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
―中島社長の小さい頃のお話を教えてください。
中島:小さい頃は、本当に小さい子供でした(笑)。私は九州で生まれて東京に引っ越して来ましたが、小学校に入学するまでは軽い自閉症でした。とても内気な子供だったので、幼稚園の先生が私を特殊学級に入れたらどうかと親に相談したくらいです。授業中、先生に当てられて本を読むように言われても、恥ずかしくて本を人前で読むことも出来なかった。そんな状態が小学校4年生くらいまで続きましたね。しかし、私の中には、シャイな部分の他にどこか自己主張する部分があったんでしょう。小学校5年生くらいからは一転して自己主張を始めるようになりました。本当なら勉強で自己主張をすればよかったのでしょうが、勉強がそんなに出来る方ではなかったので、どちらかといえば不良っぽいに方に傾いてしまいました。
―中島社長は高校から拓殖に進まれたそうですが。
中島:私の母親はとても教育熱心な人でしたので、はじめは私立の中学へ進学させようとしました。しかし、私は自分だけがみんなと違う中学校に行くのが嫌だった。ですから地元の中学校に進学しました。そして、高校へ進学する時、母親が今度は拓殖大学の付属高校へ進めと言う。“男臭い”拓殖への進学を勧めた意図は、もっと男らしく元気のいい子になれということでした。そして、私はその通り拓殖大学付属高校に入学し、軽い気持ちで応援団に入りました。応援団というのは、人の応援をしながら自己顕示欲の塊のようなものなのです。自分のことを他人に対して顕示して、認められる気持ちよさをこのとき知ったわけです。この応援団での体験が、自分を大きく変えたと思います。
―大学時代に学んだことは何ですか。
中島:もともと拓殖大学というのは、起業家精神のような空気感のある学校でした。「男たるもの、人に使われるくらいなら浪人をやっていたほうがましだ」というような幕末的な発想で、いつか自分が天下を取ると言う人がたくさんいました。だから、私も影響を受けて、応援団でもリーダーとなって頑張りました。あと、応援団という集団の中で、どうすれば格好良く振舞えるかなど、いかにして自分のポジションを確立するかということを必死で考えました。その中で、タフに生きていくことを学んだような気がします。教授から学んだことよりも、そういった起業家精神のような部分が大学時代に培われたと思います。
―大学卒業後はどうされたのですか。
中島:大学まで学費を出してくれた親のためにも、就職はしました。しかし、自分の持っているスケール感と、実際の会社のスケール感があまりにもかけ離れていた。社会って意外と大したことがないと思って、すぐに会社を辞めてしまいました。その時は、完全に社会を甘く見ていましたね。その後、いくつかの会社を転々としましたが、どこも同じ結果。いつもどこかで辞めたいなと思いながら働いていましたね。
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