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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

際コーポレーション株式会社 代表取締役 中島 武

西洋と東洋の”際”を目指して

際コーポレーション株式会社 代表取締役 中島 武

※下記はベンチャー通信7号(2003年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―大学時代の応援団の先輩と会社を始めたそうですが。

中島:はじめの会社を辞めた後、応援団の先輩と一緒に会社を始めました。相撲の国技館がある両国に事務所を構えて、警備会社を作りました。しかし、はじめから事業内容なんて考えなかったものだから、あまりうまくいかなかった。その時、先輩は「中島だけが頼りだからもう一度一緒にやろう。」と言ってくれたのですが、私は断りました(笑)。その先輩との別れは、一つの成長になったと思います。仲間というのは、いつかは別れていくものだということを身を以って知りました。

―中島社長の起業までの経緯を教えてください。

中島:私の起業は普通と違って、サラリーマンをしながら店を作りました。給料をこつこつためて古着屋を作ったのがスタートです。しかし、はじめは全く売れません。どうしたら店が繁盛するのか真剣に考えて、失敗をしてはまたやりなおすということを繰り返していた。その中で、売る側と消費者の側の感覚がイコールにならないと売れないということがわかったんです。その後、アンティークを売る店を構えました。米軍横田基地の前に家賃が10万円もしないようなショップを借りて、米軍払い下げの家具を売っていたんです。しかし、家具を仕入れる過程の中で、やはり本当にいいものは自分で作らなければならないと思いはじめました。そこで今度は、洋服のメーカーを始めました。実際に生地から全てを生産するのですが、それがまた難しかった。自分の思っていることがなかなか形にならないんです。そんな経験をする中で、お金のないところから立ち上げるのは本当に大変だなと実感しました。

―そこから、飲食を始められたのはなぜですか。

中島:飲食は、デザインからメーカーまで、全ての過程がつまっています。ラーメン屋を例に考えてみると、スープ作りから盛り付けまで、全て一軒のラーメン屋の中で完結します。だから、お店という「町工場」の中で、全部一括してできるのが飲食だと思いました。更に、大企業が資本を繁栄しにくい分野でもあるのです。飲食とは、結局はお皿の上の料理の勝負です。人件費の高い大企業はむしろ不利なのです。スタート時に有利性がどれだけあるのかということも考え、飲食にシフトしたという感じですね。

―中島社長にとって、起業とは何ですか。

中島:別に起業だけが素晴らしいことではないし、普通に会社に勤めていてもいい。人間の生き様として、どちらがいいかということはありません。しかし、私から見れば、やはり起業するほうが楽しい人生だと思います。サラリーマンをしていても、ベンチャースピリットを持っている会社に勤めるのでしたら、起業しているのと同じ楽しさがあるかもしれません。しかし、ゼロから全てを作り上げていくというのは、起業家以外には味わえないと思います。
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