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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社リンクアンドモチベーション 代表取締役社長 小笹 芳央

アイ・カンパニー(自分株式会社)になろう

株式会社リンクアンドモチベーション 代表取締役社長 小笹 芳央

※下記はベンチャー通信31号(2008年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―話は変わりますが、自分に合う会社の見つけ方を教えてください。

小笹:まず自分が就職する上で大事にするポイントを整理するべきだと思います。つまり自分が会社に何を求めるのかということをはっきりさせる。会社のビジョンへの共感なのか。事業内容や仕事内容に興味があるのか。一緒に働く人に興味があるのか。待遇面に魅力を感じるのか。そういったことを、自分の人生を振り返って、人生の棚卸しをするといいと思います。つまり優先順位をつけるわけです。その会社が良いか悪いかは、人によって様々です。ある人にとってはいい会社でも、他の人にとっては悪い会社になるかもしれません。だから、自分の中に明確な"ものさし"を作って、その"ものさし"を使って自分にとってのいい会社を探せばいいと思います。やはり会社から一方的に選ばれるのではなく、自分の"ものさし"で会社を選ぶ姿勢が大事です。

―最後に御社のビジョンを教えてください。また就活生に対してのメッセージもください。

小笹:「モチベーションエンジニアリングによる社会の活性化」が、当社のビジョンです。具体的に言うと、会社に対しては"モチベーションカンパニー"になろうと提言しています。社員のモチベーションを刺激して、社員のモチベーションを会社の成長のエンジンにする。これだけ人材が流動化している現在、優秀な人材を確保するには、モチベーションを成長エンジンにしない会社は長続きしないと思います。

 また個人に対しては「アイ・カンパニー」、つまり自分株式会社としての自立を提唱しています。自らを一つの株式会社と見立てて、自らの市場価値を常に客観的に捉えるようにと提言しています。そして、このような状況を会社と個人が実現して、非常に高いレベルでコラボレートすることができれば、とても面白い世の中になると思います。それが私のよく言う"遊(あそぶ)・学(まなぶ)・働(はたらく)の融合された社会"です。仕事の中に、遊びもあり学びもあるという社会。つまり労働が苦役ではない社会の実現です。そして最後に、私が就活生に伝えたいことは2つあります。1つ目が、就活はとても貴重な経験だということ。こんなにも多くの会社に出会える機会はもうないと思います。すごいチャンスです。いろんなことを吸収して、就活を通して自己成長してください。2つ目が、社会に出るのは楽しいということ。社会に出ると学生時代のような自由がなくなるとネガティブに捉えることもあるかと思います。しかし、「アイ・カンパニー」という意識で日々仕事をすると、いろんな人からの信頼が残高として貯まります。この信頼の残高が貯まれば貯まるほど、自由になれるんです。時間の自由や職業選択の自由、金銭的な自由などが獲得できます。つまり、将来の本質的な自由の獲得のために、しっかりと仕事に向き合って欲しい。目の前の仕事から逃げないで周囲の期待に応えられる存在になって欲しいと思います。どこかに楽園なんてあるわけじゃありません。日々の地道な積み重ねが、全てです。現実の課題から逃げずに、一歩一歩を着実に歩んでいってください。何度も繰り返しますが、人間にとって一番大事なのは"信頼"です。その"信頼"の積み重ねこそが、"自由"に近づく一歩なんです。年をとって、より自分のしたいことができるような本質的な自由が欲しければ、まずは目の前にあることに集中して頑張ってください。
PROFILE プロフィール
小笹 芳央(おざさ よしひさ)プロフィール
1961年生まれ。大阪府出身。早稲田大学政治経済学部を卒業後、86年に株式会社リクルートに入社。本社人事部人材開発課長、大手町営業所長、組織人事コンサルティング室長、ワークス研究所主幹研究員など、一貫して組織人事領域を歴任。2000年、株式会社リンクアンドモチベーション設立、同社代表取締役社長就任。
企業情報
設立 2000年3月27日
資本金 5億3千8百万円(2006年12月末日現在)
事業内容 モチベーションエンジニアリングによる企業組織の変革コンサルティング
URL http://www.lmi.ne.jp
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