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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社テクノデジタル 代表取締役 播田 誠

名だたる企業が頼りにする「技術力+プロデュース力」

大志を抱く事業家の夢を必ず成功させるエンジニア集団になる

株式会社テクノデジタル 代表取締役 播田 誠

※下記はベンチャー通信70号(2018年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
テクノデジタルの「技術力+プロデュース力」の現場での実践を明らかにするため、凸版印刷の国内最大級の電子チラシサービス『Shufoo ! 』改修の現場を取材。同社のエンジニアである山﨑氏と、テクノデジタルの若手エンジニアの高木氏。改修に携わった2人に、サービスのパワーアップのために、両者がどのように協業していったのかを聞いた。

❝レガシー❞を研究して レスポンス速度を改善

―今回、改修した『Shufoo!』とは、どんなサービスなのですか。

山﨑 住所を入力すればその近隣エリアのスーパーやドラッグストアなど店舗のチラシを閲覧できる、主婦向けのサービスです。PCでもスマートフォン(以下、スマホ)でも閲覧でき、アプリとしてダウンロードすることも可能。いまは新聞をとっていない家庭が増えて、紙のチラシが届く機会が減っています。

 一方で、私たちは印刷会社なので、毎日大量のチラシを印刷しています。ならば、そのチラシの画像データを主婦の方々が閲覧できるサービスをつくれば便利だということで、15年前にはじめました。

 主婦の方からすれば、紙のチラシをもって歩き、いちいち取り出すのは面倒です。『Shufoo!』なら店名を入力すればそこの最新のチラシを閲覧できるので、お店まで来たときにスマホでアクセスすればいいわけです。お店の側からすれば、どのような方がいつ、どこでチラシを閲覧し、どんな購買行動につながったか情報収集できるというメリットがあります。

―改修によって、どんな点を強化したのでしょう。

山﨑 システム全般ですね。より主婦の方が閲覧しやすく、お店側も情報収集しやすいように改修しました。また、スマホの普及にあわせ、アプリをダウンロードしやすくしています。「テクノデジタルさんはモバイルの技術に強い」というイメージがあり、依頼することにしました。

―高木さんの担当している部分で、どんな成果がありましたか。

高木 システムのレスポンスのスピードを改善しました。15年という長い期間にわたって稼働しているシステムなので、❝レガシー❞というか、いまはあまり使われていないコードなどがあったりします。サービスが拡大してチラシもそれ以外のコンテンツも増えて、負荷がだんだん増えているため、システムのレスポンスが遅くなっていました。データベースのチューニングをしなくてはいけない。そこで、いろいろと調査をしながら速度を改善していきました。

山﨑 あれはとても助かりました。また、読み込む速度を早くするだけでなく、チラシを掲載しているお客さまが閲覧する画面で、情報の表示方法を変更し、見たい情報をすぐに閲覧できるようにしてくれました。チラシを掲載しているお客さま向けのサービスメニューをあとからどんどん追加していったので、画面表示の整理が追いつかず、とても見づらかったんです。確か、高木さんに依頼して、1日もかからずに完了させてくれたんじゃなかったかな。そのスピード感にびっくりしました。お客さまから、「こういうのがほしかったんだよね」という声が出ているそうで、高木さんのおかげです。

高木 いやいや。エンジニアとして、そんなに難易度は高くないんですけどね。

新規メンバーを指導し早期に戦力化してくれる

―では、高木さんにとっていちばん苦労したことを教えてください。

高木 チラシのビューアーの改修を担当していて、改修したプログラムに悪い影響があらわれていないか確認する作業が大変でした。ビューアーはユーザーがいちばん見ているところなので、改修作業の過程で違うプログラムを入れたとき、その影響で見づらくなってはいけない。そこで、事前に綿密な確認を行う必要があったのです。

―山﨑さんは、高木さんをどう評価していますか。

山﨑 高木さんはもうこのプロジェクトに携わって1年9ヵ月くらいになるんですけれど、新規でプロジェクトチームに入った当社やほかのシステム開発会社のメンバーを指導してくれたりしています。だから、新規メンバーの立ち上がりが速い。マネジメント面でも助けられています。こういうことまでしてくれるシステム開発会社のエンジニアは少ないと思います。

高木 テクノデジタルは上流から下流までワンストップでできる体制を整えているエンジニア集団。だから、自分が担当している部分以外のことも、社内のだれかに聞けばわかります。ほかのメンバーの担当部分についても、ある程度はわかるので、指導することもできるんです。私たちがマネジメント面までやることで、凸版印刷さんのメンバーにかかる負担が減りますし。

既存の機能を堅実に稼働させつつ最新の技術を取り入れていく

―今後、この『Shufoo!』をどう発展させていくのですか。

山﨑 個々のユーザーの好みや状況にあわせて、商品などを提示できるサービスにしていきたい。 少し前に、『Shufoo!』ユーザーを会員化して、サービスを活用するごとにポイントがたまる仕組みを導入しました。ユーザーの好みや状況を分析するためのビッグデータを収集することも、そのひとつの目的です。

 また、ほかのサービスとの提携も検討しています。いまは買い物をするときに使われるサービスですが、ほかのサービスとの提携も進めて、生活のために使われるサービスになれればいいと。「人々の生活を豊かにするサービス」が理想形です。

 一方で、これまでの機能を堅実に続けなくてはいけない。いまのユーザーやチラシ提供会社さんを切り捨てて別のサービスに変身するわけではないんです。既存の機能を堅実にはたらかせ、かつ世の中の新しい取り組みを取り入れる。テクノデジタルさんには、それを下支えしてほしいですね。

高木 『Shufoo!』をさらに強化していくプロジェクトに携わり続ける予定なので、ぜひ、協力していきたいです。

 システムのなかの技術が形骸化しないように、レガシーのところを追っていくこと。そして、世の中の動きをしっかり追いかけて、最新のテクノロジーを取り入れていくこと。その両方をつきつめて、うまくマッチングさせていきたいですね。
凸版印刷株式会社
設立/1908年6月(創業:1900年)
資本金/1,049億8,600万円(2017年3月末現在)
売上高/1兆4,315億9,500万円(2017年3月期:連結)
従業員数/5万705名(2017年3月末現在:連結)
事業内容/印刷テクノロジーをベースとした、情報コミュニケーション事業分野、生活・産業事業分野、エレクトロニクス事業分野の3領域にわたるさまざまな活動
URL/http://www.toppan.co.jp/
PROFILE プロフィール
播田 誠(はりた まこと)プロフィール
1974年、徳島県生まれ。エンジニアとしてモバイル開発を手がけ、2004年に株式会社morecommunicationを設立し、取締役副社長兼CTOに就任。2006年に地元徳島のエンジニアを集めて株式会社テクノモバイル(現 : 株式会社テクノデジタル)を設立し、代表取締役に就任。
企業情報
設立 2006年11月
資本金 3,000万円
売上高 8億7,000万円(2016年9月期)
従業員数 130名(グループ合計)
事業内容 コンシューマー向けのWebサイト開発、スマートフォン・タブレット向けアプリ開発、クラウドコンピューティング・インフラストラクチャ構築・運用、システムおよびサービスの運用保守サービス、クリエイティブデザイン・UIUXの設計、デジタルマーケティング支援
URL https://www.tcdigital.jp/
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