ベンチャー通信Online > 起業家インタビュー > 注目 > サイクループ株式会社  代表取締役 綿谷 泰宏

INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

サイクループ株式会社  代表取締役 綿谷 泰宏

急成長中のサブスク提供企業による業界への挑戦

電動アシスト自転車の利便性を、日本中の人々に届けたい

サイクループ株式会社  代表取締役 綿谷 泰宏

前ページで紹介したように、2社の協業パートナーは、「サイクループの魅力は、ビジネスモデルの先進性だけにとどまらない」と口を揃え、事業に対する社員の熱意も評価している。ここでは、サイクループの中核を成す5名の社員を取材。仕事に対するこだわりや、仕事のやりがいについて語ってもらった。
※下記はベンチャー通信88号(2023年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

すべての社員に、整備資格の取得を推奨

―坂梨さんのミッションについて教えてください。

 当社が中古電動アシスト自転車の販売を手がけていた2016年以来、ずっと車体の整備に携わってきました。いまは整備部門の責任者として、車体の整備や配送、整備スタッフの育成などを行っています。整備拠点は関西だけでなく、当社がサブスクを始めた直後の2021年に東京でも新設されており、整備の仕事を通じても会社の急速な成長を実感しています。

―会社の成長要因はなんだと思いますか。

 車体の整備体制をしっかりと築いてこれたからだと自負しています。代表の綿谷もつねづね、「整備力はサイクループの根幹であり、ここをおざなりにしていたらサービスはなりたたない」と話しています。

 私はいまでこそ「自転車安全整備士」や「自転車技師」という資格を持っていますが、初めは自転車整備に関する知識がまったくなく、毎日が失敗の連続でした。車体をなんとか分解できても、最後に組み立て直せないといったことはしょっちゅうでした。それでもこの仕事を続けてこられたのは、「整備不良による事故を決して起こしてはならない」という責任感と同時に、修理された自転車を見て喜ぶお客さまの笑顔を見ることにやりがいを感じていたからでした。当社では、全社員に対して自転車安全整備士の資格取得を推奨するなど、整備体制をなにより重視し、お客さまの安全安心を第一とする方針を掲げています。

―今後の目標を聞かせてください。

 「自転車」といって連想する企業として、サイクループの名前がすぐに挙がるような会社にしていきたいですね。そして、「中古でもサイクループの自転車なら安全だね」と誰からも思ってもらえるよう、引き続き整備体制の強化を図っていきます。

―業務内容を教えてください。

 経営戦略の立案や、経営数値の管理・分析、事業内容の企画・改善、市場動向調査、競合調査、セールスプロモーション、CRMなど、幅広い業務を担当しています。こうした経営戦略に関わるさまざまなミッションを与えられているのは、電動アシスト自転車のメーカー出身者としての知見を評価されたからです。私がサイクループに転職した理由は、「電動アシスト自転車の中古市場を創造する」というビジョンに強く惹かれたからでした。それくらい、当社のビジネスは自転車業界において非常に画期的なのです。

―画期的と言える背景について聞かせてください。

 私の前職のメーカーでも、電動アシスト自転車の中古市場をつくる必要性を唱える意見はありました。しっかりとした中古市場が形成され、中古車の再販価値「リセールバリュー」が高まれば、そのぶん、新車の販売価格も高められるという、業界全体を活性化する効果が期待できるからです。しかし実際には、利益相反を懸念する声や、メーカーとして他社製品に関与できないといった産業構造的な理由により、中古市場の創造というのはなかなか着手が難しい領域だったのです。当社のビジネスは、そうした業界の現状に変革を起こそうとするものです。そのために私は、電動アシスト自転車の利用者から、メーカー、販売会社まで、あらゆるステークホルダーがメリットを享受できる事業づくりに挑戦し続けていきます。

―どのような業務を行っていますか。

 首都圏エリアにおける法人営業を担当しています。たとえば、デリバリーを行う飲食店や、訪問介護、訪問看護など、移動を伴う業務が多い企業に対して、法人向けのサブスクサービスを提案しています。最近の営業のなかで気づくのは、不動産業界からの強い引き合いです。集合住宅の入居者向け特典などとして、電動アシスト自転車のシェアサービスを提供したいと考えるデベロッパーや管理組合は多いです。集合住宅の場合、入居者が古くなった自転車を放置したまま引っ越してしまう問題があり、その解決策として、必要なときだけ利用でき、車体整備も付帯された当社サービスに期待してくれるケースが増えています。

 こうしたお客さまへの営業を通じ、自分がまさに社会から必要とされているサービスを提供しているということを日々実感しています。

―今後の抱負を聞かせてください。

 当社は現在、首都圏と関西の2拠点で事業を展開していますが、我々のもとには車体の配送エリア外となる東北地方など、遠方からのお問い合わせも多くいただいています。そのためいまは、フランチャイズ化によるサービス展開について検討を進めている段階です。フランチャイズ展開は当社として初めての試みで、ハードルの高いチャレンジとなります。けれども、世の中から必要とされるサービスを全国のあらゆる地域に提供できるよう、ほかの部署とも連携しながら、必ず実現させたいと考えています。

―管理本部の事務センターとはどのような部署なのですか。

 『NORUDE』のサービス提供に際して、お客さまとの窓口となる部署で、おもに申し込みや契約、各種問い合わせの対応を行っています。お客さまがサービスを申し込んでから、契約し、実際に電動アシスト自転車の配送を受けるまでは、手続きがやや多く、時間がかかってしまうんです。そのため、お客さまがスムーズに手続きを進められるよう、電話やメールを使って細やかにサポートするのが私たちの仕事です。

―仕事のどういったところに、やりがいを感じていますか。

 お客さまの声をもとにサービス改善へ取り組んでいるときに、自分がまさに『NORUDE』という画期的なサービスの開発の中枢に関わっているのだというやりがいを感じます。『NORUDE』ではいま、納期を短くするオペレーション対応を有料化していますが、この追加オプションができたのは、私がお客さまから届いた声をもとに提案したのが発端でした。当社には、部門横断のタスクフォースが立ち上がっており、年齢や職歴に関係なく意見を言い合える雰囲気が魅力です。部署は違えどサービスの価値を高めていきたいという想いは全メンバーに共通しており、日々多くの刺激を受けています。

 今後も、お客さまがより不安やストレスを感じることなく契約手続きを進めていけるよう、サポート体制の一層の充実化やサービスの磨き込みを行っていきたいですね。

―サイクループに感じている魅力を教えてください。

 年齢や職歴、性別に関係なく、みんながそれぞれの意見を言い合ったり楽しく仕事ができたりする、そんな雰囲気が最大の魅力です。私は総務部の主任として、この魅力をさらに引き上げ、あらゆる社員が自分の個性を活かしてより一層活躍できる、働きやすい環境を整えていきたいと考えています。

 そうした「誰もが働きやすい環境」で思い出す出来事があります。あるとき、自転車整備のスタッフが足らず、私が簡単な整備を行ったことがありました。その際、女性である私が手を汚しながら車体に触れていることに驚かれたお客さまがいたんです。ですから、「女性だから自転車の整備はできない」といったイメージを払拭したいとも思っていて。それを実践するために、いまは自転車安全整備士の資格を取得することが私の目標です。

―活躍の場を探している読者にメッセージをお願いします。

 気兼ねなく意見を言い合えるところが当社の魅力だと話しましたが、会社に長くいるメンバーだけでは意見が凝り固まってしまうことがあります。そのため、現状の課題を解決し、会社のさらなる成長を促していくには、新しい人材の意見やアイデアが重要になってきます。当社では、今後さらに事業を拡大させ、上場も目指しています。一緒にさまざまなことにチャレンジし、サイクループとともに成長したい人には、ぜひメンバーに加わってほしいですね。
PROFILE プロフィール
綿谷 泰宏(わたたに やすひろ)プロフィール
1968年、兵庫県生まれ。1992年に甲南大学経済学部を卒業後、株式会社内田洋行に入社。企業向け基幹システムの営業や新規事業開発に従事。2008年、株式会社エコール(現:サイクループ株式会社)を設立し、代表取締役に就任。
企業情報
設立 2008年5月
資本金 1億8,000万円(資本準備金を含む)
従業員数 35名(2022年11月16日時点)
事業内容 電動アシスト自転車のサブスクリプション事業など
URL https://cycloop.co.jp/
※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。