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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

ゴエンキャピタル株式会社 代表取締役 前川 拓哉

中小企業の経営支援に使命感を抱く若手起業家の想い

M&Aを通じて得た「ご縁」を大切に、経営者の人生に寄り添い続けたい

ゴエンキャピタル株式会社 代表取締役 前川 拓哉

企業の成長戦略や事業承継において、M&Aを選択する経営者が増えているなか、そうした経営者のサポートについて、「M&Aの先まで見据えた支援」をモットーにしているM&A仲介会社がある。2022年10月に設立されたゴエンキャピタルだ。代表の前川氏は、「M&A後も、経営者の人生をサポートする伴走者でありたい」と語る。こうした信念のもとで事業を推進するに至った理由とはなにか。今後のビジョンとあわせて、同氏に聞いた。
※下記はベンチャー通信89号(2023年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

やりがいを得るなかで感じた「不完全燃焼」の想い

―事業内容を教えてください。

 M&Aの仲介事業を手がけています。譲渡企業と譲受企業との単なるマッチングではなく、たとえば、M&Aによる経営統合後のシナジーを最大化するために、業務やマネジメント体制の構築、組織文化の浸透といった領域にまで踏み込み、経営統合のプロセスに関するコンサルティングを行っています。そのほか、譲渡企業の経営者を対象とした「資産運用コンサルティング」も手がけています。当社は、「M&Aの先まで見据えた支援」をモットーにしており、私が2022年10月に会社を立ち上げたのは、このモットーを形にするサービスを提供したいという想いからでした。

―会社立ち上げの経緯を詳しく聞かせてください。

 私は大学卒業後、M&A業界大手の日本M&Aセンターに入社しました。日本には約380万社の企業があり、そのうち約3分の1にあたる127万社が事業承継などの問題から、廃業の可能性があると言われています。じつは私が入社した当時、母方の祖父が小さな町工場を営んでいたのですが、同様の悩みを抱える姿を見ていたことが、この事業に携わりたいと考えるに至ったきっかけでした。「後継者問題に悩む多くの中小企業を救いたい」という、ある種の使命感を抱いていたのです。私は同社に約5年間在籍し、多忙な日々を送りながらも、自分自身の働きがダイレクトに経営者の悩みの解決につながり、日本経済全体の活性化にも貢献できることに、大きなやりがいを得ていました。一方で、「不完全燃焼」だと感じるシーンがあったのも事実です。

―どのようなことですか。

 M&A後のサポートに携われないことでした。私たちは、半年から1年の期間をかけて、M&Aを成約へと導きます。その間、譲渡・譲受企業の経営者とは幾度も話し合いを重ねますが、経営者にとっては人生の大きな決断の1つでもあるので、最後は私自身を信頼してもらえなければ、成約には至らないものです。逆に言えば、M&Aが成約する頃には、両社の経営者とはビジネス以上の信頼関係ができあがっています。経営者からは、「信頼できる前川さんのおかげ」といった言葉をいただきますし、私も業務を離れて、経営者を「人生の先輩」と尊敬するときが今でもあります。そうした信頼関係から、前職では、たとえば多額の資産を手にした譲渡企業の経営者からは、「前川さんから資産運用のアドバイスをもらいたい」という話をいただくケースが増えてきました。でもその都度、「会社での私の役割は、企業同士のマッチングまでなのです」と断らざるを得ない状況でした。

一生涯サポートできてこそ、より良い人生に導ける

―経営者のそうしたニーズにも応えたいという想いが、起業につながったと。

 その通りです。私は、「M&Aは経営者の人生をより良いものに導くための手段」と捉えています。実際にM&Aで、後継者問題に悩む経営者はその悩みから解放され、これからの人生を豊かに生きていくための資産も手にできます。ただ、そうして得た多額の資産をどう運用すればいいのかわからず、新たな不安を抱えた経営者からの相談が私に寄せられてきたのです。若輩者の私でも頼ってくれる、その想いに応えたかったですし、なによりM&Aを通じていただいた「ご縁」が、M&Aの成約によって途切れてしまってはもったいないという想いもありました。「M&A後のサポートもできてこそ、経営者の人生をより良いものに導ける」という私なりの結論が、「ゴエンキャピタル」を立ち上げた背景にあるのです。

―会社設立から約1年が経過しました。今後のビジョンを聞かせてください。

 私は経営者に、「M&Aの成約は1つの通過地点に過ぎません」とお伝えしています。ゴールは「経営者のより良い人生」であり、私はそこに向かって伴走していく存在であり続けたいです。そのために、いまはM&A仲介以外に、資産運用コンサルティング事業を行っていますが、今後はファンド事業も手がけたいと考えています。譲渡希望の企業を譲り受け、経営改善などを通じてより相乗効果の高い企業への橋渡しを行う事業です。ファンドを運営するための資金を、譲渡に成功した経営者に出資してもらうのです。ご自身と同じ悩みを抱える経営者の支援を通じて感じる「生きがい」は、人生をきっとより豊かなものにすると思います。

 社名の通り、M&Aでいただいた「ご縁」を大切にし、これから一人でも多くの企業経営者の一生涯をサポートしていきたいと思っています。M&Aを検討している経営者のみなさんは、ぜひご連絡ください。
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