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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社SOKKIN 代表取締役社長 本間 亮平

実務に基づいた独自の人材マッチングサービスを展開するマーケター・クリエイター集団

企業に適切な「プロ人材」を紹介し、再び日本を世界有数の産業先進国に

株式会社SOKKIN 代表取締役社長 本間 亮平

業界トップクラスの環境で培ったデジタルマーケティングを武器に事業を展開しているSOKKIN。直近の2期目の業績は、売上が前年比約400%、利益は約600%と順調に業容を拡大している。「国内すべての企業に最高のマーケティングを提供していきたい」と語る同社代表の本間氏は、かつてサイバーエージェントの広告事業本部で最高位職であるエグゼクティブアカウントプランナーとして活躍した経験をもつ。そんな同氏が率いるSOKKINが、今後独自の事業に注力していくという。同氏に取り組みの詳細を聞いた。
※下記はベンチャー通信89号(2023年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

マーケター・クリエイターが、実務に基づいてマッチング

―事業内容を教えてください。

 デジタルマーケティングを軸に、3つの事業を展開しています。1つ目が広告代理事業。単に広告運用を行うだけではなく、まずはクライアントの業界や事業を深く理解したうえで、広告戦略・戦術の提案を行い、広告運用に落とし込んでいます。そして、施策実行から最終的な事業計画の達成までワンストップで支援しています。2つ目はメディア事業。広告代理事業の市場分析・広告戦略・広告運用ノウハウを活用し、比較情報サイトの運営などを行っています。そして3つ目が、「プロ人材」マッチング事業。こちらは、人材マッチングサービス『SOKKIN MATCH』の運営をしています。3事業のうち、今後は特にこの人材マッチングサービス事業に注力していきます。

―人材マッチングサービスの詳細を聞かせてください。

 企業が抱えるマーケティングや付帯するクリエイティブにおける課題を解決するため、優秀なマーケター・クリエイター人材が必要な企業と、フリーランスもしくは副業で働きたいと考えているマーケター・クリエイターを業務委託契約でマッチングするサービスです。特徴は、『SOKKIN MATCH』の事務局を当社のプロのマーケター・クリエイターが運営し、マッチングを図る点です。当社に在籍しているすべてのマーケター・クリエイターは、私をはじめ、前職時代にサイバーエージェントで最上位クラスもしくは幹部、そして外資系マーケティング企業でトップクラスの業績をあげてきたメンバーで構成されています。現在、業務委託契約のマッチングサービスは多数存在していますが、マーケター・クリエイター人材の分野では課題があります。

―どのような課題ですか。

 サービスの運営側にマーケティングやクリエイティブの知識が乏しく、実務を深く理解できていないために企業とマーケター・クリエイター人材の間でミスマッチが起こるケースや、事務局がマッチング後のサポートに入らず業務がスタックしてしまうケースが散見されているのです。当社では、プロのマーケター・クリエイターによる実務に基づいた独自のマッチング手法でミスマッチを未然に防ぎ、マッチング後も企業が安心して業務を委託できるようサポートしています。

ディスカッションを通じて、高精度のマッチングを実現

―具体的にどのような方法でマッチングを図るのでしょう。

 クライアントとなる企業に対しては、まずはディスカッションを通じてマーケティングの課題を明確にします。たとえば、クライアントが「YouTubeを運営したい」という場合、「YouTubeを運営することで解決したいマーケティング課題はなにか」を深掘りします。そして、場合によっては「そのためにはYouTubeではなくて別の手法がいいですよ」というコンサルティングまで行います。そこまでしたうえで、クライアントの課題解決に適したマーケター・クリエイター人材のスキルセットを明確化するのです。

―そのスキルセットに見合う人材は、どのようにして見極めるのですか。

 我々は『SOKKIN MATCH』に登録してもらうマーケター・クリエイター人材を「パートナー」と呼んでいるのですが、まずはリファラルやクチコミで優秀なパートナーを集め、基本情報だけでなく、独自のスキル診断を行います。たとえば、「Facebook広告を運用できますか」ではなく「Facebook広告の運用業務を、付帯するオペレーション業務も含めて、どれだけ1人で行えますか」など、実務に基づいた診断を行います。そして1on1面談を通じて、さらにスキルを正確に把握。本人の希望も考慮したうえで、精度の高いマッチングを実現するのです。

 マッチング後もプロジェクトの進捗管理や、パートナーへのヒアリングを定期的に行うことで、スムーズなプロジェクト進行を可能にしています。こうした細やかなサポートができるのも、実務を知っているプロのマーケター・クリエイターがマッチングを図るからこそだと自負しています。

2つの目的を実現させるため、サービスを開始

―なぜそのような人材マッチングサービスを始めたのでしょう。

 事業戦略とミッション実現のためです。事業戦略の観点では、「資本集約型」のビジネスモデルの強化が目的です。広告代理事業では、当社のマーケター・クリエイターがクライアントの案件に深くかかわることになります。そうなれば、必然と「労働集約型」のビジネスモデルになり、当社のような少数精鋭のベンチャー企業は会社を大きくスケールさせることができません。そこで、当社のマーケター・クリエイターの経験・ノウハウを活かして、優秀なパートナーを見極めて多数アサインすることで、より多くの企業に質の高いマーケティングを提供しようと考えたのです

―実現したいミッションはなんですか。

 「デジタルの力でもう一度日本を世界有数の産業先進国にする」というのが、当社のミッションです。そもそも私は会社員時代に、僭越ながら順風満帆とも言えるキャリアを積みつつも、自身の成長曲線が鈍くなっているのを感じていました。そんななか、私を興奮させたのは、大義を持って世の中を変革させようと愚直に取り組む経営者たちの姿でした。そこで私は、いま一度自分を奮い立たせるためにも「日本社会を変革する仕事がしたい」と考え、起業を志したのです。

 起業するうえで着目したのが、日本における企業間の「マーケティング格差」です。

―詳しく聞かせてください。

 私自身、デジタルマーケティングにかかわってきた経験から実感していたのですが、質の高いマーケティングサービスが広告代理店から提供されるのは予算規模と生産性の関係から大手企業に限定されがちでした。そうなると、日本における残り約99.7%の中小・ベンチャー企業の多くがたとえ良い製品やサービスを提供していても、マーケティングが弱いことでなかなか日の目を見ない。その結果として、日本経済の発展が遅れているのではないかと。また、日本は内需依存型の経済構造ですが、これから縮小していく国内市場に頼っていては、先はありません。そこで、大手企業だけではなく中小・ベンチャー企業を含めたすべての企業に対して、質の高いマーケティングをグローバル化も含めて提供することで、日本を変革したいと考えたのです。

―今後の経営ビジョンを教えてください。

 足元では、『SOKKIN MATCH』を含めた3つの事業を強化し、日本企業の成長に貢献したいと考えています。また、デジタルマーケティングの分野において、最新のテクノロジーや事業間シナジーを生み出せる新規事業にも取り組んでいく予定で、総合マーケティング支援会社のポジショニングを確立しようとしているところです。結果、自社の成長にもつなげていきたいです。

 『SOKKIN MATCH』に関しては、今年の8月に有料職業紹介の免許を取得したことを受け、中途採用を見すえたサービスも手がけていきます。優秀なマーケター・クリエイター人材の採用は難しいですから、まずは業務委託契約で企業とパートナーをマッチングして、両者の合意が得られれば正社員として採用となる仕組みです。この仕組みを、今後のスタンダードにしたいのです。

大切なのは「本気さ」「謙虚さ」「温かさ」

―ベンチャー企業で働きたいと考えている方々にメッセージをお願いします。

 「本気さ」「謙虚さ」「温かさ」を重視しているベンチャーであれば、入社して成長できると思います。当社でも、この3つを重視しており、メンバーも日々意識して業務に取り組んでいます。

 当社の志に共感・興味を持ってもらえる仲間を今後もっと増やしていきたいと思っています。関心のある人は、ぜひ一度、気軽にご連絡ください。
 コスト削減やBCPの観点から「インハウスでマーケティングを行いたい」という企業ニーズは高まる一方で、採用担当者やマッチング事業者のマーケティング実務・知識不足により、マーケター・クリエイター人材の採用に苦労するケースは多いです。そうしたなか、課題定義から人材要件の設計など実務に基づき、企業とパートナーとのマッチングを図る『SOKKIN MATCH』の注目度は増していると考えます。

 新規企業の問い合わせが増えているほか、マッチングした人材との契約継続率は95%と、高い数値を維持しています。その理由は、パートナーのスキルを正確に把握するため、実務に基づいたスキル診断などを行い、マッチング後もプロのマーケター・クリエイターの事務局がサポートしているからだと実感しています。
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