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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社U-NEXT HOLDINGS(※) 代表取締役社長CEO 宇野 康秀 

日本を代表するベンチャー起業家が見据える「次」

確実に起こる変化が見えている今は、起業家にとってこれ以上無いチャンス

株式会社U-NEXT HOLDINGS(※) 代表取締役社長CEO 宇野 康秀 

「必要とされる次へ。」をコーポレートスローガンに掲げ、つねに時代の先を読み続けてきたU-NEXT HOLDINGS(※)。先ごろ発表された決算情報によると、好調な業績推移が続いているようだ。そのような中、代表の宇野氏は、「いまフォーカスする経営テーマは、起業家人材の育成」と語り、社内起業家育成塾「未来塾」の運営に力を入れているという。その狙いとはなにか。そして宇野氏が見据える「次」とは、どのようなものか。詳しく聞いた。

※2024年4月1日に株式会社USEN-NEXT HOLDINGSから株式会社U-NEXT HOLDINGSに商号を変更しました。
※下記はベンチャー通信90号(2024年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

経営者に必要なのは、サービスを創り、広げる能力

―2024年8月期の第1四半期決算も好調な業績が発表されています。この好調な推移をどのように分析していますか。

 2017年にグループを再統合して現体制になって以降、連続して増収増益を果たしており、順調に推移しています。ぜひ強調したいのは、すべての事業セグメントで計画を上回って過去最高益が続いていることです。コーポレートスローガンに掲げる「必要とされる次へ。」の通り、次に来るべき未来を想像して、必要とされるサービスを早期に形にし、いち早く届ける。このとてもシンプルな作業を、競争が激化する環境でも着実に行えていることが勝因にほかならないと思っています。

―そうした中で、現在もっとも精力的に取り組んでいる経営テーマはなんですか。

 規模拡大を目指す中では、もう一段上の組織力を築く必要があり、人材の育成はその中核にあります。事業を伸ばしていく「起業家人材」をいかに外部から集め、内部から育てていくかに今はフォーカスして取り組んでいます。現在、「未来塾」という名の社内起業家育成塾を運営しているのもそうした取り組みの一環で、私が塾長として1年間指導を続けています。1期生として18名が参加し、この1月には2期生13名が入学式を迎えていますが、卒業した1期生からはグループ会社の社長や人材開発部門の責任者に就いた人材もいます。

―そこでは、どのようなことを伝えているのですか。

 一般的な経営論みたいな話は一切していません。未来塾というタイトル通り、未来をどのように発想して、その未来をいかに実現していくか、その発想や行動のあり方などを割と話していますね。というのも、私は事業の中身は違えども、経営者に必要とされる能力に大きな違いはないと考えているからです。事業への情熱は前提として、「いかに良いサービスを創るか」と「それをいかに広げるか」、極論すればこの2つしかありません。

長い人類の歴史の中でも、珍しいほどの社会変化

―宇野さんは、塾生のなにを見極めているのですか。

 最近、良く使う言い回しなんですが、その人材が持つ「事業センス」です。私も25歳から経営者を務めてきて、いろいろな人を見てきましたが、いかに頭脳が明晰で、事業プランも優れ、情熱やリーダーシップがあったとしても、事業に成功する人がいれば、失敗する人もいる。その違いはなんなのかと考えると、「事業センス」としか言いようがないんですね。事業の勘所を感覚的に理解し、危機への対応策も思いつく。そんな感覚的なものが結構大きいのかなと最近はよく思いますし、未来塾ではそんなセンスを見極めています。

―新しい起業家人材が活躍する日本の将来を、宇野さんはどのように見ていますか。

 私は日本を取り巻く環境は、決して悲観的には見ていません。人々が豊かな気持ちで誇りを持って生き、世界に貢献できる国を目指すというなら、これからもその可能性は十分にあるでしょうし、むしろ世界からの期待値は高まっていると感じています。日本の食や文化、観光資源の人気ぶり、さらに成熟した国民性に対する評価、株価に表れている企業力への再評価などを見ても、十分に海外で戦える能力と資質を持ち合わせている国です。悲観的な要素はなにもないと思いますね。

―起業家人材にはチャンスが溢れていると。

 そうですね。2000年のインターネット革命には一部の懐疑的な抵抗勢力が存在しましたが、現在のDX革命やAI革命にはそもそも抵抗勢力が存在しません。変化に弊害が伴ったとしても、そこから「新しい秩序」が自浄的に生まれてくることを社会はインターネット革命の経験から学び、理性的に変化を受け入れるマインドができているように感じます。長い人類の歴史の中では珍しいことだと思うんですね。つまり、未来が予想しやすく、その変化がより素直にスピーディに起きる。それだけ競争が激しくなるということも意味しますが、確実に起こる変化が見えている今は、起業家人材にとってこれ以上無いチャンスが広がっているのではないですか。
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