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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社ファミリーコーポレーション 代表取締役 冨吉 範明

一棟収益物件に特化し成長を続ける不動産ベンチャートップの想い

顧客が「勝てる」物件提供を追求し、目指すは「課題解決型」の不動産企業

株式会社ファミリーコーポレーション 代表取締役 冨吉 範明

一棟収益不動産の売買、再生などを手がけるファミリーコーポレーション。同社によると、高い専門性と豊富な取引実績に裏づけられた物件の提案は、顧客の満足度が高く、事業は好調に成長を続けているという。同社代表の冨吉氏は、「収益不動産業界においては、モラルに欠けた一部の企業による不正行為などを背景に、経営環境に逆風が吹くことは少なくない」と語るが、そうしたなかでも同社は成長を続けているとしている。それはなぜなのか。事業にかける想いとともに、冨吉氏に聞いた。

収益不動産のプロとして、顧客の資産形成に寄り添う

―事業内容を教えてください。

 おもに、一棟収益物件に特化した不動産の売買、再生、仲介を行っています。首都圏1都3県を中心に、大阪エリア、さらには米国ハワイやロサンゼルスの不動産も含め、これまで約3,000棟の物件を取り扱ってきました。そのなかには、リピートによる買い増しや、当社の既存のお客さまからの紹介を受けての購入も多く、総じてお客さまからは高い評価を得ていると自負しています。2023年には地方銀行と連携し、物件の視察ツアーを行ったのですが、参加した5組のうち3組が1週間以内に購入を決定。残り2組も「自分はどのような不動産を保有すればよいのか、方向性を定めることができた」と当社のサービスに満足いただき、前向きに購入を検討してもらえています。

―サービスのどういった点が顧客から評価されているのですか。

 お客さま一人ひとりのニーズに合った適切なカテゴリの物件を提案できている点だと思います。たとえば、事業承継や財産相続の問題を背景に抱えているお客さまには、相続税を抑えられるよう、物件の価格に対して相続税評価額が低い都心部の物件を提案します。また、「内部留保はあるものの、主力事業の斜陽化に悩んでいる」といった企業経営者には、安定した収入を期待できる不動産を事業の新しい柱としてすすめ、資産形成の提案を行うこともあります。資産を効率的に増やしたいお客さまには、IRR(内部収益率)が8~9%という高利回りの物件も提案できます。このように当社では、お客さまの課題解決に資する有効な「ソリューション」として不動産を取り扱っているのです。

 不動産はそもそも、「ミドルリスク・ミドルリターン」と言われる、利益・損失の変動幅が中程度の投資商品であり、ポートフォリオへの組み込みをおすすめできるものです。しかし世の中には、「不動産投資は危ない」というイメージを持つ人が少なくないのが現状です。

―それはなぜでしょう。

 一部のモラルのない企業による不正な行為が断続的に起こってしまうのが原因の一つです。ここ数年だけでも、施工不良や、金融機関と共謀した不正融資など数々の問題が発覚し、それらがニュースで取り上げられるたびに、収益不動産業界全体のイメージと信用が悪化しました。このほか、収益不動産業界には、適切な投資に必要な情報が十分に共有されにくいという特有の構造もあります。そのため、事業者のなかにはこの情報格差を利用することで、たとえ違法でなくとも自社だけが「勝つ」ような取引を行うところもあります。そのような行為も、「不動産投資は危ない」というイメージ形成に拍車をかけています。

 これに対し、「お客さまを家族の一員のように考え、その資産を守る」という想いを社名に込めた当社では、お客さまが「勝てる」投資の提案に徹底してこだわり、実践してきました。

異業種連携も進め、より多くの課題を解決したい

―そうした提案ができるのはなぜですか。

 当社がお客さまに提供できる情報量が豊富だからです。たとえば、当社では仕入れ担当の営業職を約50人擁しており、常時約1,500棟ぶんにのぼる物件情報を保有しています。この情報量の多さは、大手の不動産企業を凌ぐ水準であると自負しています。ほかにも当社では物件をお客さまに案内する際、築年数に合った将来の賃料予測を早い段階で示すなど、お客さまが将来の資産運用を行いやすくするための情報共有も惜しみません。投資商品としての歴史が長い不動産は、価格変動を比較的予測しやすいのがメリットの一つです。当社ではそのメリットを最大限、お客さまの資産形成のために活かすべく、情報を提供するのです。

 このほか、お客さまを「勝たせる」ためのサービスの一つとして、当社ではお客さまに代わって物件を管理する事業も展開しています。当社は不動産管理に関するノウハウも豊富なため、同事業で我々が管理する約5,000室の稼働率は97.5%という高水準を維持できており、お客さまの収益向上につながっています。

―今後のビジョンを聞かせてください。

 引き続き、不動産を通じてより多くの人が物心両面で豊かになる世の中をつくっていきたいと考えています。人口減少が続く日本ですが、ある調査(※)によると、純金融資産を1億円以上保有する富裕層の世帯数は、コロナ禍を経るなかでも増加傾向を示しています。この調査からは、資産の防衛や形成、運用に関する悩みを抱える人たちもそれだけ多く存在すると推察できます。当社は、そうした人たちの悩みを解決していきたいのです。

 また、その悩み解決の阻害要因となる、不動産投資に対するマイナスイメージを払拭するには、業界のイメージ形成に対してある程度の影響力を与えられる規模まで、市場シェアを拡大していくことも必要です。そのために当社はいま、M&A仲介企業や金融機関、公認会計士、税理士などとアライアンスの構築を進めているところです。こうした異業種連携にも積極的に挑戦していくことで、当社が提供する価値をより多くの人々に広めていきたいと考えています。
※野村総合研究所『金融ITフォーカス』2021年5月号「コロナ禍で進む富裕層の二極化と意識変化」より
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