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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

MTJグループ株式会社 代表取締役CEO 山重 柾人

フードイベントで急成長中のベンチャーが次に見据える事業展開とは

和牛ビジネスで世界に販路を見出し、日本をもっと良くしていきたい

MTJグループ株式会社 代表取締役CEO 山重 柾人

2019年に創業し、2023年の売上高3億円に対して2024年は9億円を達成したMTJグループ。フードイベントや和牛輸出をメインに事業を展開し、急速に業容を拡大している。同社代表の山重氏は、「会社が6期目を迎える今こそ、満を持して海外展開を強化していく」と意気込む。いったいどのようにして、世界展開を強化していくのか。同氏に、今後の展望を含めて話を聞いた。
※下記はベンチャー通信91号(2024年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

現地法人を立ち上げるなど、着々と準備を進めている

―どのようにして、海外展開を図っていくのでしょう。

 これまで国内で培ってきたフードイベントを海外にも横展開し、今当社が一番注力している和牛輸出ビジネスを強化していきます。具体的には海外で和牛を実際に味わえるリアルイベントを開催し、まずは現地の人たちに当社が提供する和牛を知ってもらいます。あわせて、海外の飲食店や小売店、卸会社など向けに商談会を行い、取引先を拡大していくのです。実際に味わってもらうことで、現地の人たちには「この和牛が私たちの国で味わえる店が知りたい」と思ってもらえますし、集客すればするほど海外の企業に対してのPRになります。今、実際に和牛を海外に流通させるための準備を着々と進めているところです。

―準備内容を具体的に教えてください。

 まず、タイ、マレーシア、シンガポールに和牛の輸入・販売を目的とした現地法人を立ち上げました。通常は海外に輸出しようとすれば、現地の企業とアライアンス契約を結びますが、当社では一気通貫で流通させることができるようになりました。また、イスラム圏向けに和牛を提供するため、「ハラル和牛」にも取り組んでいきます。そのため、マレーシア政府のハラル認証である「JAKIM(ジャキム)」を取得しました。これを取得するのは難しいとされているのですが、当社の「日本の和牛をイスラム圏の人たちに届けたい」という想いが同政府に届いた結果だと思います。さらに、マレーシアに和牛の加工工場を建設中で、今年の11月に完成予定です。こちらで和牛とハラル和牛を加工して、よりスムーズに海外へ輸出する体制を整えるためです。

19歳でロードマップを作成し、計画通りに事業を展開中

―なぜ、和牛の輸出で海外展開を図ろうと考えたのですか。

 じつは、創業前から「世界中の人に和牛を届けて感動を提供したい」という構想を練っていました。もともと海外志向が高かったことに加え、自らフードフェスに出店した経験から、和牛は人々を感動させる力があり、それを海外に提供したら日本の企業でも世界で戦えるのではないかと思ったからです。私は孫正義さんを尊敬していて、孫さんが19歳で「人生50年計画」を立てたことを本で知り、私も19歳のときに見よう見まねで「人生50年計画」を作成しました。その際、起業後の具体的なロードマップを15年分作成して実行してきたのです。

―ロードマップ通りに事業は進んでいるのでしょうか。

  ええ。私のいたらなさから社員がお金を持ち逃げするなど、さまざまな苦労はありましたが、「絶対にやりきる」という想いでなんとか計画通りに進めることができています。今期は6期目ですが、「5期目までに資金をつくり、6期目から世界に進出するフェーズに入る」というのは、まさに描いていたロードマップそのままです。やはり、日本から世界を目指すのであれば、日本の最前線を走る起業家をリスペクトして、やり方をトレースするのも大切だということを実感しています。

次の世代に対して、良いバトンを渡したい

―これからの、世界進出に向けての展望を聞かせてください。

 まずは、アジアでの展開を進めていますが、年内にはアメリカのニューヨークにも進出します。絶対に成功させるため、私自らニューヨークに居住を構え、日本を含めたアジアを行き来していく予定です。また、実家が九州で和牛の6次産業化まで手がける会社を経営しているのですが、その会社と最近、アライアンス契約を結べました。これにより、さらに事業を加速させていける体制を整えられました。

 私には、「ジャパニーズコンテンツ」を世界に展開し、日本を良くしたいという想いが根底にあります。多くの日本企業が人口減少により、国内での販路拡大を見出せずにいます。そこで我々のような若い世代のベンチャーが販路を世界に見出すことで日本を活性化させ、次の世代に良いバトンを渡したいと本気で考えているのです。
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