INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
エンジニアの定着率92%を実現したITベンチャーの秘策
「エンジニアファースト」の環境で、気持ちよくキャリアを築いてほしい
株式会社アルトワイズ 代表取締役 / MBA / 認定心理的安全性アンバサダー 向井 崇泰
Sponsored 株式会社アルトワイズ
SESを主力事業とし、システム開発などを手がけているアルトワイズ。エンジニアが開発案件を選べる環境やユニークな福利厚生制度など、徹底した「エンジニアファースト」の施策が奏功し、エンジニアの定着率92%を実現している。同社代表の向井氏は、「私が元エンジニアだったこともあり、エンジニアが楽しくかつ自由に成長できる環境をつくりたかった」と語る。同氏に、具体的な取り組みの詳細や今後のビジョンなどを聞いた。
※下記はベンチャー通信94号(2026年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

株式会社アルトワイズ
代表取締役 / MBA / 認定心理的安全性アンバサダー
向井 崇泰むかい たかやす
1981年、千葉県生まれ。2004年に東京理科大学を卒業後、株式会社野村総合研究所に入社。アプリケーションエンジニアとして流通業界のシステム開発などの業務に従事する。その後、教育・人事業務にキャリアチェンジし、組織をグロースさせる業務を担当。数社での業務を経て、10数年の人事業務を経験する。2021年、赤字の株式会社アルトワイズに人事部長兼経営企画室長として入社。執行役員、CHROを経て、2024年、代表取締役に就任する。2023年に、心理的安全性アンバサダー協会の理事に就任。
顧客側との面談を通じて、エンジニアが案件を選べる
―事業内容を教えてください。
クライアントに対して自社エンジニアを派遣する、SES事業をメインに手がけつつ、受託開発や自社開発も展開しています。割合はSESが9割、残り1割が受託開発と自社開発です。クライアントは大手企業からメガベンチャー、自治体・官公庁など幅広く、取り扱う案件も基幹系システム、Webシステム、スマホアプリ、ライブ配信システム、カフェチェーンの店舗システムなど多様で、プライム案件(※)も多いです。
※プライム案件 : IT・システム開発において、発注元企業(エンドクライアント)から直接契約で受注した案件のこと
―SESを手がけている企業は多いですが、アルトワイズの強みはなんでしょう。
エンジニアの働きやすさを追求する、「エンジニアファースト」を徹底している点です。具体的には、大きく3つの取り組みを行っています。1つ目は「案件選択制」です。これは、エンジニアが参画する案件を選べる制度です。エンジニア1人あたり、20~30の案件を提案しています。約1,300社の顧客から、年間約70万案件を受けているからこそ実現できると言えます。また、営業担当者が数ある案件のなかから、エンジニアのキャリアや希望をヒアリングしたうえで案件を揃えます。さらに、エンジニアが複数の案件をピックアップし、現場の上司となるクライアントの担当者とも面談したうえで、「一番肌が合う」と感じた案件を自ら選ぶのです。そのため、クライアントとのマッチ度も高いです。
―2つ目の取り組みを教えてください。
充実した福利厚生です。現在25個の制度があり、エンジニアに人気です。推し活といった自分の趣味に使える「趣味手当」や「趣味休暇」、ジムやマッサージなど健康促進の用途に使える「Well-being手当」という具合に、プライベートを充実できるユニークな手当を支給しています。また、スキルアップを重視し、本の購入や研修を受講できる「スキルアップ手当」や、試験に合格すれば受験費用が免除される「資格チャレンジ手当」などの制度があります。そのほか社員旅行をはじめ、各種イベントを企画しており、任意参加で年間約150回のイベントを開催しています。
―3つ目の取り組みはなんでしょう。
「心理的安全性」の醸成です。これは、チームのなかで誰もが気兼ねなく自分の意見やホンネを安心して言い合える雰囲気づくりのことを指します。たとえば、社内で「ありがとう」と感謝を気軽に伝え合うことで自己肯定感が生まれます。そこで、メンバー同士で感謝を伝え合う「感謝感激ちゃんねる」をチャットツールのSlack内にて運用しています。「お客さまにお茶を出してくれてありがとう」「勉強会を開催してくれてありがとう」など、普段から活発に感謝の言葉が飛び交っています。これでリモートワークでも、メンバー同士でポジティブにつながっていることを実感できます。みんなで感謝し合い、自己肯定感が育まれ、自己効力感の芽生えにつながればとも考えています。一番多く感謝を伝えたメンバーは半期に一度表彰されます。「良いことの発見」と「コミュニケーションのきっかけづくり」を高く評価したいからです。
―こうした取り組みは、どのような基準で生み出しているのですか。
HRM(※)システムである、「採用・配置・評価・報酬・育成・代謝」というすべてのプロセスで「エンジニアがワクワクしながらプロフェッショナルを目指せるようになるためには」という課題を設定し、すべてのプロセスが連動するように組織や制度を緻密に構築しています。一見、福利厚生制度やイベントの多さなどに目が行きがちですが、じつはこの課題解決にすべてつながっており、経営戦略と整合しています。
※HRM : Human Resource Managementの略で、従業員を「資本」ととらえ、経営戦略と連動させて最大限に活用・育成する管理手法
積極的に行動するメンバーが増えている
―3つの取り組みは、社内でどのような効果をもたらしていますか。
まず、エンジニアの定着率は92%と高い数字を維持しています。私が入社した頃は退職率が35%だったのに比べると、大きく改善しました。エンジニアの人数も当初の約20名から約120名と増加しています。また、ほとんどのエンジニアがクライアント先で働いているうえに、ほぼテレワークのため、月に1度帰社日を設けていますが、帰社日への参加率は以前の10~20%から80~90%に達しています。また、さまざまな相乗効果も生まれています。たとえば、「趣味手当」などを利用した際はSlackに写真と感想を投稿するのがルールですが、「この人もこのアイドルが好きなんだ」といった共通点が可視化され、それまでつながりがなかったエンジニア同士の交流が実現しました。さらに、エンジニアの積極性も高まっています。
―具体的に教えてください。
資格に挑戦するエンジニアが増え、ネットワークスペシャリストやデータベーススペシャリストなど高難易度の資格に合格するメンバーもいて、社内で良い刺激になっています。また、帰社日に「カウンターでバーをやりたい」「DJブースをつくりたい」「トレーディングカードゲームをやりたい」と手をあげるエンジニアも出てきました。どれも会社で手当を出して実施し、メンバーに好評でした。そのほか、「年1回の社員旅行じゃもの足りない」という社員の声から、四半期に1回、社員が企画した日帰り旅行を補助する「よくばりクォーター手当」といった制度も生まれました。こうした、メンバーが自ら行動することが働くモチベーションになっているようです。
また、「エンジニアファースト」の取り組みは社内だけにとどまらず、企業ブランディングにもつながっており、有名メディアに取りあげられたほか、大手企業にいてもおかしくない優秀なエンジニアの採用に成功するなどの効果も生まれています。
また、「エンジニアファースト」の取り組みは社内だけにとどまらず、企業ブランディングにもつながっており、有名メディアに取りあげられたほか、大手企業にいてもおかしくない優秀なエンジニアの採用に成功するなどの効果も生まれています。
Slackに投稿し続けて、関係値が深まっていった
―なぜ、「エンジニアファースト」を徹底するようになったのですか。
私自身が入社した際、危機感を抱いたことに起因しています。先ほど言ったとおり当時は退職率が非常に高く、メンバー同士のコミュニケーションもほとんどない「焼け野原」のようでした。そこでまず、メンバー1人ひとりにヒアリングを実施しました。そこでわかったのは、大きく2つの問題があるということでした。1つは「会社が信頼できない」という組織の不満。もう1つは、「やりたい案件に参画できず面白くない」というスキルやキャリア形成に関する不満でした。それらの不満を解消する第一段階として、当時から導入していたものの、全然稼働していなかったSlackを活用し、エンジニアとコミュニケーションを図ろうとしました。同じく当時からあった「スキルアップ手当」を私自ら率先垂範して活用し、「こんなことを学んだよ」「こんなスキルが身についたよ」とSlackに投稿し続けました。
―効果はありましたか。
やがて1人のエンジニアが「じゃあ私も活用して勉強します」と投稿してくれ、そこから2人、3人と投稿者が増え、「会社の管理側の人もちゃんと私たちをみてくれている」と、徐々にエンジニアとの関係値が深まっていきました。そこから営業力を強化して「案件選択制」を導入し、福利厚生を増やし、心理的安全性を醸成して現在にいたっています。エンジニアに会社を好きになってもらい、社内でコミュニケーションを活発にしつつ、気持ちよくキャリアを築いてほしいという想いが結実した形です。現在は職種に関係なく、仲間と楽しみつつ仕事もがんばるメンバーばかりです。
自社の世界観を広め、業界のスタンダードにしたい
―今後のビジョンを教えてください。
現在はSESが中心ですが、SES、受託開発、自社開発の割合を4:4:2にしていきたいですね。開発形態を増やせば、「チームで開発したい」「自社開発がしたい」というエンジニアの多様な希望に対応できますから。また、これまでエンジニアに対し、営業と技術部長が1on1などを通じてフォローしてきましたが、組織が100名を超えたこともあり「エンジニアサクセス本部」を新設しました。こちらは、エンジニアのキャリア相談や悩みなどに対し、より深く向き合う部署です。本格稼働は今年4月を予定しています。そして、2038年までに売上高100億円、エンジニア数1,000名超を目指します。その規模になると、市場からある程度認められるため、「こうしてエンジニアを育てています」という世界観を広め、業界のスタンダードの1つにしたいという想いがあります。
―エンジニアとしてさらに成長したいと望む若手にメッセージをお願いします。
キャリアの幅やポジション、案件の選択肢の狭さや人間関係などに悩むエンジニアの人たちは多いと思います。私も元エンジニアなのでわかります。そんな人にこそ、当社にジョインしてほしいと思います。まずはカジュアル面談からでいいので、ぜひ当社を訪ねてほしいですね。
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