INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
逆風が吹いている今だからこそ、ベンチャーにチャレンジしてほしい
株式会社サイバーエージェント 代表取締役社長 藤田 晋
※下記はベンチャー通信28号(2007年11月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
―やはりキーポイントは優秀な人材の確保ですね。御社が求めている人材像を教えてください。
藤田:素直で柔軟な人を積極的に採用しています。また協調性があるかどうかも大事です。やはり仕事はチームプレイでやるものですから、いくら個人の能力が高くても、組織に適合できないような人は採用しません。自分自身のことばかり考えている人よりも、会社全体のことを考えてくれる人を採るということです。
しかし求めている人材像というのは、大企業でもベンチャー企業でもそれほど変わらないと思います。よくベンチャーで必要だと言われるベンチャースピリッツのようなものは、当社の採用ではあまり重視しません。
われわれが多くの事業を立ち上げる中で分かったのは、もともと起業意欲が強くない人でも、新規事業の立ち上げを任されると自然とベンチャースピリッツを発揮することが多いということでした。つまり、環境という要因が非常に大事なんです。人は環境によって、保守的にもなれば起業家的にもなるんです。
しかし求めている人材像というのは、大企業でもベンチャー企業でもそれほど変わらないと思います。よくベンチャーで必要だと言われるベンチャースピリッツのようなものは、当社の採用ではあまり重視しません。
われわれが多くの事業を立ち上げる中で分かったのは、もともと起業意欲が強くない人でも、新規事業の立ち上げを任されると自然とベンチャースピリッツを発揮することが多いということでした。つまり、環境という要因が非常に大事なんです。人は環境によって、保守的にもなれば起業家的にもなるんです。
―御社では、どういう社風をつくっているのですか。
藤田:当社では新規事業プランコンテスト「ジギョつく」や、社内異動公募制度「キャリチャレ」などユニークな制度を数多く設けています。社員が自ら挑戦したり、自身のキャリアを選ぶことができる環境をつくっています。また若手社員を新規事業の事業責任者に抜擢したり、経営幹部の会議にも同席させたりします。そうやって若手社員がチャレンジすると、その同期たちも刺激されます。「あいつがやれるなら、自分もできるはず」と思うわけです。だからあえて若い社員に新規事業を任せたりして、若手の社員同士が刺激し合い、チャレンジしやすい社風をつくっています。
―また藤田さん自身、かなり採用に力を入れていると聞きました。
藤田:私が採用にかけている時間は、他の経営者の方と比べても多い方だと思います。毎年200名くらいの最終面接を行っていますし、当社のすべての新卒採用セミナーで会社についてプレゼンするようにしています。時間があれば、内定者懇親会や研修にも顔を出します。
―人材育成のコツを教えてください。
藤田:人を育てるには、まずその人に任せ、経験させることが一番だと思います。私も24歳で社長になり、組織をつくり、資金調達を行い‥というのを自分自身で身をもって経験してきました。経験の内容によって、同じ年でも成長の度合いは大きく変わります。ですから、もちろん本人にやる気があることが大前提ですが、多少早いかなと思っても、任せてみて自分で決断する機会を与えることが一番だと思います。
―でも、若手に責任を任せるのは、会社としてはリスクもありますよね。
藤田:確かに大手企業だと、若手はなかなかチャレンジさせてもらえません。会社自体の規模が大きいと失敗は許されませんから。でも、ベンチャー企業には失敗を恐れずにチャレンジできる風土があります。そこがベンチャーの良さだと思います。ベンチャー企業は若手にも積極的に仕事を任せ、経験を積ませる気風があるので、若いうちから大きく成長したい人には非常に良い環境だと思います。
また、人は最初に入った会社に大きく影響されます。大企業のように失敗をなかなか許さないような環境で働くと、そこで働く人も保守的になってしまいがちです。起業するための勉強をするつもりで大企業に入ったら、いつのまにか保守的な風土に染まってしまうということがよくあります。ですから最初にどういう会社に入るかは非常に重要ですね。それにベンチャー企業では急激に会社が成長する様子を当事者として体感することもできます。これはかけがえのない経験だと思います。もちろんその一方で、もしそのベンチャーが失敗したら、自分の仕事もなくなりキャリアも積めないというリスクもありますが。
また、人は最初に入った会社に大きく影響されます。大企業のように失敗をなかなか許さないような環境で働くと、そこで働く人も保守的になってしまいがちです。起業するための勉強をするつもりで大企業に入ったら、いつのまにか保守的な風土に染まってしまうということがよくあります。ですから最初にどういう会社に入るかは非常に重要ですね。それにベンチャー企業では急激に会社が成長する様子を当事者として体感することもできます。これはかけがえのない経験だと思います。もちろんその一方で、もしそのベンチャーが失敗したら、自分の仕事もなくなりキャリアも積めないというリスクもありますが。
―その見極めはどうしたらいいのでしょうか。御社はミクシィに投資するなど、投資育成事業もやっています。藤田さんが学生だとして、ベンチャー企業を見極めるポイントを教えてください。
藤田:やはり社長を見ることですね。ビジネスモデルは後で変えることができますが、社長を変えることはできません。会社を選ぶ基準として、8、9割は経営者だと思います。あとは、その業界の市場が成長しているかどうかです。
―具体的には社長のどこを見るのですか。
藤田:さまざまな要素があり、一つ一つを言葉にするのはむずかしいですね。ある種の直感としか言いようがありません。ただ、直感というのは結構当たるものなのですよ。 経営者を見て「この人は合わないな」と思った会社は選ばない方が良いかもしれませんね。また人相などは特に大事だと思います。その人の長年の人生や人間性が顔に表れたりしますから。この直感のおかげで、私はこれまで人に騙されたことがほとんどありませんね。
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