INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
コングロマリット企業の魅力を解剖
ジャパンクリエイトグループの全貌
株式会社ジャパンクリエイトグループ 代表取締役会長(CEO)五十嵐 庸公
株式会社ジャパンクリエイトグループ 取締役社長 茂木 英次
Sponsored 株式会社ジャパンクリエイトグループ
※下記はベンチャー通信70号(2018年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
創業以来、17年。振り返れば短くも長い間に、グループを率いる会長の五十嵐氏と社長の茂木氏は、いくどかの経営危機を乗り越えてきた。背景には、「人材の潜在能力を引き出し、活躍できる環境整備をすることが成長の原動力」との確信がある。両者にグループの来し方・行く末を語り合ってもらった。
リーマン・ショックの危機を克服しえた社員のパワー
―創業から17年で、グループ売上高300億円を目前にするまでに成長しています。順風満帆ですね。
五十嵐:現状だけ見れば順調に成長していますが、これまでになんどか経営上の危機はありました。創業初期も大変な苦労をしましたが、2008年のリーマン・ショックのときは深刻でした。
茂木:とにかく急激に取引の解約・削減が発生しました。あとにも先にも経験のないインパクトです。最大で月の売上が7割近くも減少し、毎月、億単位の赤字が出ていました。
また一方で、“年越し派遣村”に代表されるように、人材派遣業という業態に問題があるかのようなネガティブイメージをさまざまな場面で流布されたことはこたえました。コンプライアンスにはとくに気をつかい、真面目に取り組んでいる自負がありましたので、自分たちの存在価値が否定されたような気がして、物心ともに厳しい時期でした。
五十嵐:この苦境を乗り越えられた要因は、苦楽をともにする社員のがんばりだと思っています。日ごろ社員がしっかりと活動してくれていたからこそ、お客さまと信頼関係がしっかりと構築できていました。厳しいときとはいえ訪問すれば会ってはくれます。
そこで、お客さまと接する機会をそれまでの3倍に増やしたんです。とにかく泥くさく、誠実に、お客さまとの時間を大切にしました。このときまでに当社は業界団体の理事になっていたため、国や行政などの施策情報などがいち早く入ってきました。そのころは自民党から当時の民主党への政権交代があり、人材サービス業界が法改正などで混沌としていた時期です。私たちの情報力はお客さまに大変喜ばれました。
また、このときからグループ化へ本格的にかじを切りました。
茂木:とにかく急激に取引の解約・削減が発生しました。あとにも先にも経験のないインパクトです。最大で月の売上が7割近くも減少し、毎月、億単位の赤字が出ていました。
また一方で、“年越し派遣村”に代表されるように、人材派遣業という業態に問題があるかのようなネガティブイメージをさまざまな場面で流布されたことはこたえました。コンプライアンスにはとくに気をつかい、真面目に取り組んでいる自負がありましたので、自分たちの存在価値が否定されたような気がして、物心ともに厳しい時期でした。
五十嵐:この苦境を乗り越えられた要因は、苦楽をともにする社員のがんばりだと思っています。日ごろ社員がしっかりと活動してくれていたからこそ、お客さまと信頼関係がしっかりと構築できていました。厳しいときとはいえ訪問すれば会ってはくれます。
そこで、お客さまと接する機会をそれまでの3倍に増やしたんです。とにかく泥くさく、誠実に、お客さまとの時間を大切にしました。このときまでに当社は業界団体の理事になっていたため、国や行政などの施策情報などがいち早く入ってきました。そのころは自民党から当時の民主党への政権交代があり、人材サービス業界が法改正などで混沌としていた時期です。私たちの情報力はお客さまに大変喜ばれました。
また、このときからグループ化へ本格的にかじを切りました。
従業員たちがハツラツと活躍できる環境整備を
―その理由を教えてください。
茂木:今後どんどん就業者・就業環境の“多様化”が必要となってくるなかで、私たち事業者としても多様な環境を整備する。これがコングロマリット経営の目的のひとつです。
また、柱となる事業を複数もつことで、景気に大きく雇用環境を左右されないよう、経営を安定させ、さらに人材の多様なニーズに雇用者としてこたえていくこともあります。リーマン・ショックの前、ジャパンクリエイトでは一時、株式上場を計画していましたが、この不況を経験したことで、あえて上場計画を白紙に戻し、より自由度を高く多角化経営にかじを切ることを決断しました。つまり、人材サービスに続く事業の柱を育てようというわけです。
また、柱となる事業を複数もつことで、景気に大きく雇用環境を左右されないよう、経営を安定させ、さらに人材の多様なニーズに雇用者としてこたえていくこともあります。リーマン・ショックの前、ジャパンクリエイトでは一時、株式上場を計画していましたが、この不況を経験したことで、あえて上場計画を白紙に戻し、より自由度を高く多角化経営にかじを切ることを決断しました。つまり、人材サービスに続く事業の柱を育てようというわけです。
―なるほど。そこでM&Aによるコングロマリット化を進めていったわけですね。どんな基準でM&A対象を選定しているのですか。
五十嵐:私たちは人材ビジネス以外、ノウハウをもっていませんでした。よって、新たに異業種の会社にグループ入りしてもらう場合、その業種に精通している経営者に引き続き活躍してもらうことを前提に考えます。だからこそ、経営者が私たちの掲げる理念に共感したうえで事業ミッションを遂行してもらえるかは重要な要素となります。
―いちばん重視しているのは、 理念のなかのどんな内容でしょう。
茂木:創業が人材サービス会社ということもありますが、やはり「企業は人なり」というように、人材を大切にすることです。会社は経営者、社員一人ひとりの理念の共有体だと考えています。
五十嵐:私は経営者として「社員がハツラツとし、安定した生活を送れるように環境整備すること」が使命(ミッション)であることに気づきました。そこで創業5年目のとき、「企業は人なり」をはじめとした経営理念を整理し「クレド」にまとめカードを全社員に配布しました。社員が安心して活躍するためには、会社がなにを考えているのかを明確にする必要があると考えたからです。
私たちは社員を大事にし、その輪が業界、地域、社会へと広がっていくようこれからもいっそう努力をして、10年後にはグループ年商を少なくとも500億円にまで伸ばしたい。
そのためにも若い人材の活力がもっと必要です。「当グループを次世代の経営者を育成する場にしたい」と考えています。
五十嵐:私は経営者として「社員がハツラツとし、安定した生活を送れるように環境整備すること」が使命(ミッション)であることに気づきました。そこで創業5年目のとき、「企業は人なり」をはじめとした経営理念を整理し「クレド」にまとめカードを全社員に配布しました。社員が安心して活躍するためには、会社がなにを考えているのかを明確にする必要があると考えたからです。
私たちは社員を大事にし、その輪が業界、地域、社会へと広がっていくようこれからもいっそう努力をして、10年後にはグループ年商を少なくとも500億円にまで伸ばしたい。
そのためにも若い人材の活力がもっと必要です。「当グループを次世代の経営者を育成する場にしたい」と考えています。
PROFILE
プロフィール
五十嵐 庸公(いがらし のぶまさ)プロフィール
1961年、兵庫県生まれ。大手人材サービス会社での社長を経験した後に独立。2001年に株式会社ジャパンクリエイトを設立。同社を急成長させて業界内での地位を確立し、一般社団法人 日本生産技能労務協会の副理事長などを歴任。2011年に株式会社ジャパンクリエイトグループ代表取締役会長(CEO)に就任。
茂木 英次(もてぎ えいじ)プロフィール
1968年、群馬県生まれ。大手人材サービス会社で五十嵐氏と出会う。2001年、株式会社ジャパンクリエイト設立に参画。2011年に株式会社ジャパンクリエイト社長就任。2016年にグループ取締役社長に就任。
株式会社ジャパンクリエイトグループ 企業情報
設立 | 2011年9月(創業:2001年8月) |
---|---|
資本金 | 3,000万円 |
売上高 | 約264億円(2017年3月期:連結) ※2018年3月期連結見込 約300億円 |
従業員数 | 480名(2017年7月現在:連結、正社員)※グループ全体 4,970名 |
事業内容 | グループ全体にかかわる戦略的経営計画の立案・実行とシェアードサービス |
URL | http://www.jc-grp.com/ |
お問い合わせ電話番号 | 06-6399-9000 |
株式会社ジャパンクリエイト 企業情報
設立 | 2001年8月 |
---|---|
資本金 | 4,000万円 |
売上高 | 134億円(2017年3月期) |
従業員数 | 240名 |
事業内容 | 労働者派遣業、業務請負業、人材紹介業 |
URL | http://www.japancreate.net/ |
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