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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社ネクスト Lifull特集

Lifullグループの全貌に迫る

人々の生活を満たす新ビジネスの集合体

株式会社ネクスト Lifull特集

プロダクト名の頭文字が「i」であれば、「それはAppleの商品だ」と多くの人が思うだろう。近い将来、生活関連産業の領域で「Lifull(ライフル)」の名を冠したサービスが同じように高い知名度を獲得するかもしれない。これは日本最大級の不動産・住宅情報サイト『HOME'S』を運営するネクストが立ち上げたブランド。「人々の生活を満たす(Lifull)」との想いを込めて展開する新ブランドの全体像をグループ各社のトップへのインタビューなどを通して浮き彫りにする。
※下記はベンチャー通信63号(2016年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
10年にわたりWebマーケティング支援を展開してきたLifull Marketing Partners。売上高や従業員数ではLifull子会社群のなかでダントツのNo.1だ。Lifullグループが目指すものや風土を、まずは同社からみていこう。共同で代表を務める三浦氏と数野氏に聞いた。

若手は失敗で成長する。だからどんどん挑戦せよ

―事業内容を教えてください。

三浦 Web広告・サイト運営のコンサルティングを手がけています。クライアントの商材をWeb上で「どう見せるか」「どう販売していくか」というマーケティングのサポートです。

―不動産領域でもWebマーケティングの分野は競合が多いと思います。そのなかでの強みはなんですか。

三浦 複雑な不動産の仕組みやクライアントの気持ちがわかるエキスパートが多いことと、マンションだけでなくビルや商業施設、ホテルまで幅広い領域で対応できる点が強みです。というのも、当社はもともと幅広い領域の物件を手がける大手不動産会社のグループ会社としてスタートしたからです。

 また、社内にライター・エディター・デザイナーといったクリエイターを多く抱えていることも強みになっています。SEOなどの集客戦略をサポートできるうえに、デザインやユーザビリティにすぐれたサイトを低コスト・最速で提案し、立ち上げられるのです。

―設立以来、変わらない「DNA」と呼べるものはなんでしょう。

三浦 クライアントとも協力会社とも、すべての関係者とウィン・ウィンの関係をつくれることです。

 当社の「期待を超える情報とソリューションを提供することで、永続的な関係値を構築する」というビジョンは、Lifullグループに参加する前の社是である「すべての人と大きく飛躍を」を進化させたものであり、ネクストが掲げる「利他主義」に近い理念ですから。

数野 若手に仕事を任せる風土もDNAといえます。Webコンサルティングは、Webサイトの制作からターゲティング広告、検索対策など幅広く、最新の知識をつねにもちあわせ、クライアントの事業にとって最善の施策を伝える仕事です。そのため、最初からできる人なんていませんし、信頼されるコンサルタントになるには、かなりの時間がかかりますよね。

 しかし、当社は若手にも早い段階で仕事をどんどん任せていきます。それは決して楽なことではありませんが、クライアントと真剣に向きあった結果は、クライアントからの感謝・信頼、そして自分自身の成長というカタチで必ず返ってきます。

三浦 私自身、この会社にいちメンバーとして入社し、数多くのクライアントの仕事を任されましたが、数え切れないほど失敗をしてきた。でも、それでこの仕事の楽しみを教えられたし、大きく成長できた。若手には、失敗をおそれず積極的に仕事に取り組んでもらいたいと考えています。

 クライアントにも上司にも怒られるかもしれないけど、それで得られるものは大きいですから。

―昨年、ネクストのグループ会社になり、社名も変更しましたね。どんな変化がありましたか。

数野 対外的には、グループ各社が手がける事業の顧客すべてが当社のクライアントになりえるので、これまで取引がなかった新築一戸建、注文住宅、介護施設など、関わるマーケットが大幅に広がっています。

 また、社内的にも『HOME'S』がこれまで蓄積してきたユーザーデータ、テクノロジー技術が活用できるので、マーケティング精度の向上につながっています。

三浦 昨年10月以降、ネクストから『HOME'S 』の営業メンバーが合流し、互いの仕事を学ぶ関係ができつつあります。『HOME'S』という強力な商品をもつネクストは、それらをどう売るかに注力してきました。一方、私たちは定型の商品はなく、提案力がすべて。そうした違いからくるお互いのよい点をいま、学びあっているところです。

ネクストの豊富なデータがコンサルティングを変える

―そうした変化の先にどのような未来が開けるのでしょうか。今後のビジョンを教えてください。

数野 新しいコンサルティングのスタイルに挑戦したいですね。これまでのコンサルティングは、過去のデータを分析して仮説を立て、それをもとに提案・実行し、もっとも有効な施策を見つけるというものでした。しかしこれからは、ユーザーのネット上での動きをリアルタイムに分析し、過去ではなく、現在のデータをもとに将来の動き方を「予測」する。その予測をもとに提案するというスタイルに変えるのです。

三浦 当社が培ってきた提案力に、いま国内最大級の不動産・住宅情報サイトである『HOME'S』の豊富なデータと、ネクストがもつ技術力という武器が加わった。この3つを組み合わせれば、「仮説→検証」の手順を踏まずに、確度の高い「予測」にもとづいたスピード感のあるマーケティングが実現できる。

数野 「過去」をもとにした「現在」のマーケティングではなく、「現在」をもとにした「未来」のマーケティングですね。

―どんな人材を求めていますか。

数野 コミュニケーション能力が高い人、自立志向が強い人を求めていますね。

 それから、突き抜けた提案ができる人。たとえば、社内の会議の場で先輩たちが案を出しているとします。ここで先輩たちの考え方の延長線上にあるアイデアしか出せないようでは当社に向きません。既存の考え方や周囲の状況に関係なく、いったんゼロベースで「本当にこれがベストなのだろうか?」と考える。そんな思考のすえにたどりついたアイデアを、おくせず発表できる人がのぞましいです。

三浦 新卒を採用するのは、若いときから大きな裁量をもって思い切り働き、一気に成長してほしいから。だから、そんな“突き抜けた提案”を許容する風土が当社にはあります。

夢中になれる仕事をしてほしい。

―ベンチャーへの就・転職に関心のある若手人材へ向けてメッセージをお願いします。

三浦 「世の中をよくしよう」「豊かにしよう」という想いで立ち上げられる会社が増えてきました。だから、どんな会社に入っても、目の前のことにポジティブに取り組み、夢中になれる仕事を探してほしい。

 その仕事は、かならず世の中のためになるし、人のためになる。そういう仕事を繰り返していくことで真のプロフェッショナルになれると思います。

数野 若いうちは積極的に発言し挑戦して、成長のスピードを速めてほしい。常に大胆な思考をもってアイデアを出せるようにしてください。そのためにも目の前の仕事だけでなく、大きな視点でモノを見る習慣が大切です。
■代表取締役社長 三浦 拓郎(みうら たくろう)
1982年、東京都生まれ。18歳でイギリスに渡る。帰国後、通信系や人材系など営業職を経験。チャレンジがしやすく、成長できる環境で仕事をしたいと考え、ベンチャー企業にこだわった経歴をもつ。2007年、株式会社アクセリオン(現:株式会社Lifull MarketingPartners)に入社。2015年、ネクストグループへの参加と社名変更にともない、代表取締役社長に就任。

■代表取締役副社長 数野 敏男(かずの としお)
1969年、山梨県生まれ。慶應義塾大学を卒業後、大手不動産会社に入社し、分譲マンションの企画・営業・プロモーションを経験。その後2012年に株式会社ネクストに入社。『HOME’S』事業本部で執行役員を務めながら、2015年に株式会社Lifull Marketing Partners 代表取締役副社長に就任。
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