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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社RERISE 代表取締役 田口 大志

「日本一の営業力」を目標に急成長中の不動産ベンチャー

関わる相手の「無限の可能性」を、引き出せる存在でありたい

株式会社RERISE 代表取締役 田口 大志

「日本一の不動産営業会社になる」との理想を高らかに謳い、設立4年目を迎えた急成長ベンチャーのRERISE。好不況の波を繰り返す不動産業界にあって、「頼れるのは営業力だけ」と言い切る同社代表の田口氏は、「若い社員たちが秘めた無限の可能性を引き出し、強い営業パーソンを育てる環境づくりが成長の要因」と語る。若手社員の潜在能力を引き出し、強い営業パーソンに育てる秘訣とはなにか。起業の経緯や今後の成長ビジョンなども含めて、同氏に話を聞いた。
※下記はベンチャー通信84号(2022年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

努力次第でキャリアを築ける、数少ない職種

―事業内容を教えてください。

 実需用の戸建て不動産物件を対象とした、買取再販事業を主軸に事業展開しています。設立から現在4期目を迎えますが、取扱高は50億円を上回り、事業領域も徐々に広げています。独自のルートから仕入れた物件を買い取り、お客さまにとって最適な「住まい」と「ライフプラン」を提案する不動産コンサルティング営業が当社のスタイルです。日本においては、不動産に対する知識があまりにも薄く、取得のメリットや実現性について、強い先入観や心理的障壁を感じている消費者がとても多いです。誤った先入観や障壁を取り除き、新たな知識を身につけることで、人の可能性は大きく広がるものです。不動産の提案を通じて、お客さまにその「無限の可能性」を提供することが我々の使命だと考えています。

―起業のきっかけはなんだったのですか。

 私は前職でも不動産営業を経験し、この仕事の魅力を実感してきました。お客さまの人生に深く関わり、その可能性を広げられれば、感謝の言葉をいただけますし、そこでは大きなやりがいを得られます。しかし一方で、ともに働く社員の可能性を広げることに目を向けられる会社は、じつは多くありません。不動産営業というのは本来、学歴や経験などなくても、努力次第でキャリアを築ける数少ない職種なんです。ただし、その可能性を追求できる仕組みが社内に無ければ意味がない。社員が辞めていくのは当然で、当時大切に育てていた部下も退職を決意したと知りました。それをきっかけに、自分たちで「営業がイキイキと活躍できる会社」をつくろうと決意したのです。

―その後、順調に事業が拡大しているようですね。要因はなんでしょう。

 「営業力」にはこだわってきました。私なりの統計では、不動産業界にはおよそ12年に1度の周期で不況が訪れます。その時に企業の明暗を分けるのは、ビジネスモデルでも商品力でもなく、営業力です。好況の時には帆を掲げてさえいれば、自然と風が運んでくれますが、無風や逆風の時に自ら漕ぐ力がなければ、その船は沈んでしまう。営業力の大事さがわかっているからこそ、どんなに会社が大きくなっても当社はプライドをもって営業会社であり続けますし、営業力には磨きをかけ続けます。

営業は自分のオリジナルで、勝負するしかない

―具体的に、どのように営業力を磨いているのですか。

 現場にたくさん出て、経験を積むことを重視しています。過去の経験から私が行き着いた結論は、「営業は自分のオリジナルで勝負するしかない」というものです。同じ言葉や行動でも、その人の個性で効果はまったく違うからです。ですから、マニュアルも研修も用意していますが、「最後は自分で自分の方法論を探求しなければいけない」と伝えています。仮にうまくいかない経験であってもいいんです。当社ではそれを「失敗」とは呼びません。それが一生懸命やった結果ならば、次なる改善のための貴重な材料と捉えているからです。そのうえで会社としては、改善のためのサポートを徹底して行うことを心がけています。

 また、「採用力」も、当社の成長の原動力となっているかもしれません。

―採用では、どのようなことを心がけているのでしょう。

 「人事こそ社長の仕事」との信念から、私自身が前面に立ち、学生と本気で向き合うことです。そして、「入社させよう」と思って接しないこと。もちろん、入社につながることが一番良いのですが、最初からそんな下心があれば、本音の会話はできません。「無限の可能性」を引き出すという理念は、相手が学生でも変わりません。たとえ、採用につながらなかったとしても、「この場で何かをもち帰ってもらいたい」という想いで向き合います。ですから、時には厳しい指摘を伝えることもありますが、相手のことを想っての言葉であれば、それは必ず伝わるものです。そうした姿勢に共感してくれた学生たちが来期は20名加わり、翌年はさらに50名の採用を目指しています。

―今後のビジョンを聞かせてください。

 やりたいことはたくさんあります。リゾートビジネスへの参入やデザイナーズ物件の開発、住宅でのグッドデザイン賞も獲りたい。対外的には、2028年に年商1,000億円の目標を掲げていますが、その理由も、それくらいの企業規模になれば、やれることが大きく増えると思うからです。それに、社員のキャリアパスも増やせます。会社が安定を求めてしまうと、上の役職が詰まってしまう弊害はよく聞きます。その先に待ち受けるのは、希望をなくした若手社員の退職しかありません。それとは逆に、大企業へと成長した後も次々と新規事業に挑戦しているあるIT企業は、「慢性的な人手不足」状態にあるといいます。それは、すごく面白いことですよね。当社もそんな会社でありたいと思っています。
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