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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社TAIMATSU CEO Allen Wang

和包丁に人生を賭けた異端の起業家が描く未来図

「伝統工芸 の経済圏」を世界に広げ、ユニコーン企業への道を突き進む

株式会社TAIMATSU CEO Allen Wang

職人の感性が色濃い伝統工芸を、論理とデータで世界に売る。市場のギャップを突き、急成長を実現した「勝利の方程式」と、それを支える組織の力についてCMOの田部氏に聞いた。
CMO
田部 貴紀たべ たかのり
1990年、宮城県生まれ。2015年に青山学院大学を卒業後、株式会社ADK(現:株式会社ADKマーケティングソリューションズ)に入社。2025年、株式会社TAIMATSUに入社し、CMOに着任。おもにマーケティング周りの責任者を務める。

シンプルな戦略を、高速で大量に繰り返す

―CMOとして、TAIMATSUに参画した理由を教えてください。

 私が参画を決めた最大の理由は、商材とコンセプトが市場の「ギャップ」を完璧に突いていたからです。私たち日本人にとって、包丁は「切れて当たり前」の日用品であり、その価値に気づきにくいものです。しかし、食材を「叩いて切る」洋包丁の文化を持つ欧米豪の人々にとって、日本の和包丁が持つ「スライスして切る」機能美や切れ味は、衝撃的な体験となります。

 この勝機を確実なものにするため、私たちは「選択と集中」を徹底しています。購入者の約7割を占める欧米豪、特にシェアの大きいアメリカなどにターゲットを絞り、広告などを集中投下しました。高く評価してくれる市場にアピールするシンプルな戦略を徹底した結果、対象となる欧米豪7ヵ国でのブランド認知度は競合を抑えてナンバーワン(※)となり、顧客満足度も9割を超える結果が出ています。
※TAIMATSU社調べ(2025年調査)

―その戦略を支える、TAIMATSUならではの強みはなんでしょう。

 まずは「可視化されたデータ」です。伝統工芸の領域では、販売を職人の感性や経験に頼ることが多いですが、当社では、日次の売上や広告費用対効果(ROAS)をリアルタイムに見られるダッシュボードを用いています。ここまでは一般的な会社でもできますが、当社の最大の強みは、このデータをもとにした「爆発」的な実行力にあります。失敗を恐れずPDCAを高速で回し、正解を導き出す。アレンもよく話す、この「爆発」が、当社の「勝利の方程式」を支える変数なのです。

―さらなる成長に向けた、今後の展開を教えてください。

 新ブランド『FE』のリリースに備え、マーケティング手法を進化させます。従来のカタログ的広告だけでなく、包丁コンテストや料理対決動画などの「エンタメ要素」を取り入れ、ファンを熱狂させるコンテンツを発信していきたいと考えています。そして、いずれはTAIMATSUを「世界を代表する会社」にし、社員が「TAIMATSUで働いているんだ」と胸を張って言える、誇りあるブランドへと育て上げていきます。
入社2年目で物流・仕入れを統括する中村氏は、職人と対等な関係を築き、その技術と誇りを「物語」として世界に届けることが自身の使命だという。その職務と将来について同氏に聞いた。
Product Division Manager
中村 万由なかむら まゆ
1999年、大阪府生まれ。2024年に早稲田大学文学部を卒業後、TAIMATSU株式会社に新卒入社。おもに商品の購買や企画、在庫管理、物流管理を担う。

生産者と消費者を「物語」でつなぐ物流を

―現在の役割を教えてください。

 私は現在、プロダクトディビジョンのマネージャーとして、仕入れから在庫管理、物流まで一貫して統括しています。なかでも重要なのは、当社のブランドに作品を提供してくれる職人やメーカーとの「窓口」としての役割です。私はメーカーや職人と直接やり取りをし、日々の発注業務や納期管理を行っています。しかし、単にモノや情報を右から左へと流すのではなく、「物語」を双方向に受け渡す「架け橋」となることを目指しています。

―どういうことでしょう。

 私たちが扱っているモノは、単なる商品ではありません。そこには、職人が何十年もかけて磨き上げてきた技術や、ものづくりへの誇り、そして人生そのものが詰まっています。そうした背景にある「物語」を付加価値に変えて世界中に届けることが、TAIMATSUの真価です。それと同時に、お客さまの喜びを職人一人ひとりに届けることも忘れません。「自分の作品が世界で愛されている」と知ったときの職人さんの笑顔は、私にとっても大きな喜びです。こうした関係を職人やメーカーと築き、「物語」を流通させることこそ、私たちチームの使命であり、今後はより理想的な仕組みづくりにも力を注いでいきたいと考えています。

―理想的な仕組みづくりに向けた、今後の取り組みを教えてください。

 今後は、上場を見据えた、より強固なサプライチェーンの構築と社内オペレーションの安定化が必要です。急拡大する事業スピードに対応するため、属人化した業務を仕組み化し、誰が担当しても安定して回せる体制を整えなければなりません。最近では「信号システム」という仕組みを導入しました。これは日々の業務負荷を「青・黄・赤」の信号で可視化し、チーム全体で危機管理を行うものです。じつは、このアイデアはアルバイトスタッフによるもので、立場に関係なく良いアイデアは即採用するというTAIMATSUならではの「スピード感」もチームに根付いてきました。今後も頼れるメンバーとともに、職人とお客さまの「架け橋」であり続けます。
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