INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

創業以来、成約件数が毎年倍増している注目の専門家集団
M&A後の支援にもこだわりを持つ、ゴエンキャピタルの強みに迫る
ゴエンキャピタル株式会社 代表取締役 前川 拓哉
Sponsored ゴエンキャピタル株式会社
前ページでは、ゴエンキャピタルの譲渡企業に対するM&A仲介の支援事例を紹介した。このページからは、譲受企業の視点による同社の支援事例を紹介する。千葉県に本拠を置くエイ・エム・シィは、ゴエンキャピタルの支援を受け、福岡県のメーカーとM&Aを成約。これにより、西日本への事業展開が可能となった。エイ・エム・シィ代表の森下氏に、どのような支援を受けたのかの詳細を、ゴエンキャピタルの中野氏を交えて聞いた。
※下記はベンチャー通信92号(2025年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

株式会社エイ・エム・シィ
代表取締役社長
森下 直樹もりした なおき
1963年、福岡県生まれ。1990年に九州大学大学院を修了後、外資系通信機器メーカー、外資系医療機器メーカーのサプライチェーン責任者などを歴任。その後、社団法人の理事を経て、2024年、株式会社エイ・エム・シィの代表取締役社長に就任する。

ゴエンキャピタル株式会社
企業情報第3部 シニアコンサルタント
中野 圭なかの けい
1997年、京都府生まれ。立命館大学経営学部を卒業後、テック系ベンチャー企業に入社し、企画責任者として従事。その後、株式会社日立製作所によるM&Aをきっかけに、日立グループの一員として企画やPMIを実施。ゴエンキャピタル株式会社に入社後は、後継者問題の解決だけでなく、事業課題の解決のための成長戦略型M&Aの提案を行っている。
創業者の遺志を引き継ぐため、M&Aを検討
―エイ・エム・シィではどのような事業を手がけているのでしょうか。
森下:企業向けに、工業用・産業用のフィルターの製作を手がけています。たとえば、トンネル工事で舞うチリを集塵したり、食品工場の小麦粉などを集めて輸送したりする機械などに使用されるものです。非常にニッチと言えますが、業界では欠かせないものであり、100%フルオーダーで小ロットから製作できるのが強みです。
―今回、譲受企業としてM&Aを実施した経緯を教えてください。
森下:一昨年末に急逝した、創業者の先代社長が「ずっと会社を存続させたい」「西日本に拠点を広げたい」「海外進出をしたい」と生前語っていました。私が昨年社長に就任したのですが、先代の遺志を引き継ぎ、まずは「これから20年後も続く会社をつくろう」というビジョンを社員に示しました。その後、福岡県に新たな拠点を置こうと考え、M&Aを検討したのです。そのタイミングで、ゴエンキャピタルの中野さんから今回M&Aを実施したメーカーを譲渡企業候補として紹介されたのです。
中野:そのメーカーは不織布のフィルターをメインに製作している会社で、分野は多少異なるものの、エイ・エム・シィと同業でした。同社のオーナーは、将来的に後継者が不在ということもあり、「信頼できるパートナーと、会社をより盤石な経営状態にしたうえで身を引く」という考えをお持ちでした。同社は、工業用フィルターに加え、エアコンのフィルターなど消費者向けの製品も手がけています。同じフィルターでも異なる製品を手がけるエイ・エム・シィと手を組むことで、これまで提案しきれなかった商材を扱うことが可能になり、お互いに相乗効果が期待できると考えたのです。
また、今回両社のM&Aが適切だと考えたのは、もうひとつ理由がありました。
中野:そのメーカーは不織布のフィルターをメインに製作している会社で、分野は多少異なるものの、エイ・エム・シィと同業でした。同社のオーナーは、将来的に後継者が不在ということもあり、「信頼できるパートナーと、会社をより盤石な経営状態にしたうえで身を引く」という考えをお持ちでした。同社は、工業用フィルターに加え、エアコンのフィルターなど消費者向けの製品も手がけています。同じフィルターでも異なる製品を手がけるエイ・エム・シィと手を組むことで、これまで提案しきれなかった商材を扱うことが可能になり、お互いに相乗効果が期待できると考えたのです。
また、今回両社のM&Aが適切だと考えたのは、もうひとつ理由がありました。
―どのような理由ですか。
中野:じつは、大手企業からもM&Aのオファーがオーナーに届いていたのです。通常、中小企業がM&Aで会社を譲渡する場合、100%株式を譲渡するのが一般的です。しかし、そこでオーナーが難色を示したのです。オーナーは、M&A後も盤石な経営基盤をつくるため、自分自身が経営に携わることに意欲的でした。100%株式を譲渡して大手企業の完全子会社になると、自身の経営に対する関与度が低くなることを懸念していたのです。また、自身が引き続き経営にかかわることで譲受企業候補の業績を伸ばす自信も持たれていました。
森下:そこで、中野さんから提案を受けたのは、当社が100%株式を譲受するのではなく、オーナーにも一定の株式比率を残すというスキームでした。その場合、オーナーに経営のイニシアティブが残りますし、M&Aでオーナーに売却益が支払われるだけでなく、M&A後のがんばり次第でさらにオーナーにインセンティブが入ります。私自身、共に会社を成長させたいという想いがあったので、まったく異論はなく、無事に成約にいたったのです。
森下:そこで、中野さんから提案を受けたのは、当社が100%株式を譲受するのではなく、オーナーにも一定の株式比率を残すというスキームでした。その場合、オーナーに経営のイニシアティブが残りますし、M&Aでオーナーに売却益が支払われるだけでなく、M&A後のがんばり次第でさらにオーナーにインセンティブが入ります。私自身、共に会社を成長させたいという想いがあったので、まったく異論はなく、無事に成約にいたったのです。
20年続く会社づくりを、引き続き支援していく
―M&A後の感想を聞かせてください。
森下:「西日本で拠点を持ちたい」という当社の想いと、「社長引退を見据えてより盤石な経営基盤をつくる」というオーナーの想いがマッチした良いM&Aを実施できたと思います。これも、株式比率で独自のスキームを提案してくれた中野さんのおかげですね。今後は、両社間で人材交流も図りつつ、海外も含めた新しいマーケット開拓や新しいアウトプットを模索していくことで、お互いに高め合っていきたいです。
中野:株式比率が1%違えば、M&Aの意味は大きく変わってきます。そうしたなか、株を扱う専門家として両社が納得できるM&Aを成約できたことにホッとしています。
中野:株式比率が1%違えば、M&Aの意味は大きく変わってきます。そうしたなか、株を扱う専門家として両社が納得できるM&Aを成約できたことにホッとしています。
―中野さんは、今後どのようなM&A支援を行っていきますか。
中野:M&A仲介は、両者の意向をふまえた条件調整・契約締結を実現することが重要です。今後ともオーナー経営者にとって人生で一度きりの決断に真摯に向き合いつつ、譲渡・譲受企業にとってメリットのある提案を行っていきます。エイ・エム・シィに関しては、今後もM&Aで事業を拡大していく方針だとお聞きしているので、20年続く会社づくりのひとつの選択肢として、M&Aの仲介で支援していきたいです。
株式会社エイ・エム・シィ企業情報
設立 | 1993年12月 |
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資本金 | 1,000万円 |
従業員数 | 35名 |
事業内容 | 工業用フィルターの製作、販売 |
URL | https://amc-inc.jp/ |
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