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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

日本オラクル株式会社 / RPAホールディングス株式会社 / BoCo株式会社 / ひので監査法人 / エクスポネンシャル・ジャパン株式会社

Special Feature

ベンチャー経営飛躍の「条件」

日本オラクル株式会社 / RPAホールディングス株式会社 / BoCo株式会社 / ひので監査法人 / エクスポネンシャル・ジャパン株式会社

RPA(robotic processautomation)のリーディングカンパニーとして、近年急成長を遂げているRPAホールディングス。2018年3月の東証マザーズ上場後も成長の勢いを止めることなく、近く東証一部への変更申請も予定している。この急成長はいかにして実現されたのか。影の立役者である経営管理部を統括する部長の浦田氏に急成長のヒミツを聞いた。
※下記はベンチャー通信75号(2019年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

成長のしわ寄せがもっともキツイ管理部門

―事業内容から教えてください。

 昨今、ホワイトカラーの業務を効率化する自動化ツールとして注目を集めるRPAを駆使した事業を展開しています。主軸は、データ加工などの定型作業の代行を行うプラットフォーム『BizRobo!』を開発・提供する「ロボットアウトソーシング事業」と、広告領域においてRPAを駆使したアフィリエイトサービスを提供する「ロボットトランスフォーメーション事業」のふたつ。近年のRPAに対する関心の高まりを受け、顧客基盤は急速に広がっています。いまや当社のユーザー企業数は2018年12月末時点で1000社を超え、それにともない売上高も毎年、倍々で成長し続けています。

 昨年、東証マザーズ市場にIPOを果たしましたが、当期(2019年2月期)中を目標に東証一部への変更申請を予定しています。

―成長のスピードがとても速いです。そのヒミツはなんでしょう。

 「RPAブーム」ともいわれる関心の高まりは前提にありますが、その事業の成長を支えている管理部門の業務効率化は、当社の成長を語るうえでもっとも重要なポイントのひとつです。

―詳しく教えてください。

 一般的に、IPOを果たす成長企業の場合、事業の拡大にともない業務量も増大し、管理部門を増員させることで成長の足かせとなってしまうケースがじつに多いです。会社の規模拡大という状況変化に、増員せずとも対応できる管理部門の構築は、IPO企業が持続的成長を実現できるかどうかを分けるのです。

 とはいえ、管理部門は月末振込や月次処理など期限が決まった業務が多く、一人あたりの生産性には限度がある。そのため月による繁閑差が大きくなり、適正な人員数の配置が難しいという特徴があるのです。そのような状況下で、期限は業務の性格上変えることができないため、一人あたりの生産性を高めるアプローチをとりました。

売上数倍の急成長期でも「増員なし」「退職者ゼロ」

―具体的にどのような手法で管理部門の生産性を高めたのですか。

 RPAの導入で自動化による業務効率化を推進したのです。請求書の発行や給与計算、減価償却台帳の作成など、一見業務は多岐にわたりますが、「データをシステムから別のシステムへとコピーし、特定の枠に入力する作業」という見方をすれば、すべて共通性があります。データを取り出す先も、書き込む先も最初から決まっている。ここに人間が「考える」という行為は必要なく、ひたすら入力という煩雑な作業を繰り返すだけ。これはRPAがもっとも得意とする領域のひとつです。

 たとえば、経理業務を分解してみると、入力作業は全体の7~8割を占めます。件数や金額が正確かといった判断業務やわずかな事前準備は必要ですが、ここにRPAを活用すれば、人はこの大量の入力作業から解放されるわけです。結果、かつて9営業日、しかも平均22時くらいまで残業を要していた連結6社の月次処理を、いまでは平均19時退社、わずか4営業日で終えることができています。上場以前から5人体制で従事してきた管理業務が上場後、膨大に膨らむ過程でも「増員なし」「退職者ゼロ」で対応できているのです。増員をしていないことももちろんそうですが、人材不足が加速し採用費なども高騰するなか、「退職者ゼロ」という状態を続けていることも重要だと思っています。

ERPとの相乗効果が自動化効果を最大化する

―RPAを導入するだけで、それほどの生産性向上が見込めると。

 じつは、それだけではダメなんです。RPAを効果的に活用するためには、ひとつ重要なポイントがあります。それは、RPAとERP(※)の融合です。当社ではクラウドERPを活用していますが、たとえば経理業務のうち、請求では、所定の情報を入力さえしてしまえば、「請求書作成」「売上計上の仕訳」「期日到来の未回収債権一覧」まで自動で作成されます。つまり、これらの機能にRPAを組み合わせることで、受注~売上~請求書作成・発送~債権回収にいたる営業債権にかかる一連の業務をほぼ人を介せず実施できるのです。

 このように、各業務で使用しているツールの長所をRPA化によりさらに活かし、また短所をRPA化により低減させることで、相乗効果がえられるのです。この前提として、RPAの導入前には、業務の見える化、標準化、平準化は必須であることは指摘しておくべきでしょう。
※ERP: enterprise resource planningの略。財務・販売・生産・人事・在庫など、企業の基幹情報を統合的に一元管理し、経営の効率化を図ること。ここでは、それを実現する「統合基幹業務システム」を指す

―成長を期すベンチャー企業経営者にメッセージをお願いします。

 売上を稼ぐフロントオフィスと、経営管理を担うバックオフィスは、まさに車の両輪。成長に合わせて、人員や販管費も増大していくような体制では、持続的な成長はできません。当社は、RPAとERPの融合によって急成長に耐えられる組織をつくり上げています。私の経験上、ベンチャー企業の成長にとって経営管理機能の強化は最重要課題のひとつと断言できます。
■RPAホールディングス株式会社■
設立:2000年4月
資本金:9億2,414万9,000円(2019年2月期 第3四半期)
売上高:58億3,471万8,000円(同上)
従業員数:100名(同上)
事業内容:コンピュータ、その周辺機器およびそのソフトウェアの開発、設計、製造、販売並びに輸出入業務など
URL:https://rpa-holdings.com/
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