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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
Special Feature
ベンチャー経営飛躍の「条件」
日本オラクル株式会社 / RPAホールディングス株式会社 / BoCo株式会社 / ひので監査法人 / エクスポネンシャル・ジャパン株式会社
Sponsored 日本オラクル株式会社
「全ての人と音をもっと良い関係に」―。高い志を掲げ、独自の骨伝導(bone conduction)デバイスを世界に発信し、「難聴リスクの増大」というデジタル時代特有の社会課題に挑んでいるBoCo。日本が誇る急成長ものづくりベンチャーのひとつだ。ミッション実現のため、設立当初から至上命題としてきた同社のグローバル展開はいかにして実現されたのか。代表の謝氏に聞いた。
※下記はベンチャー通信75号(2019年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
「骨伝導」ならぬ「超骨導」
―優れた骨伝導デバイスを開発し、注目されていますね。
ええ。確かに、「骨に伝わる振動によって音を聴く」という意味では「骨伝導」技術といえるのですが、性能的には従来の骨伝導デバイスとは一線を画したもので、当社では「超骨導」と言っているんです。
当社のコア技術は、特許を有する独自開発の円柱状骨伝導素子。直径わずか10ミリのデバイスですが、4~4万Hzという広い周波数帯域の音を感知できる、世界でも類を見ない性能を誇ります。このデバイスが開発されたのは2010年でしたが、その後に明らかになった「ある社会問題」によって、この技術の潜在的な価値が一気に高まることになりました。
当社のコア技術は、特許を有する独自開発の円柱状骨伝導素子。直径わずか10ミリのデバイスですが、4~4万Hzという広い周波数帯域の音を感知できる、世界でも類を見ない性能を誇ります。このデバイスが開発されたのは2010年でしたが、その後に明らかになった「ある社会問題」によって、この技術の潜在的な価値が一気に高まることになりました。
―社会問題とはなんですか。
2015年3月だったと記憶していますが、世界保健機関(WHO)が全世界に向けて警鐘を鳴らした「難聴リスク」の増大です。当時の調査によると、12~35歳の若者ですでに11億人が難聴リスクを抱えているというのです。背景には、スマートフォンやゲーム機の音声をヘッドホンから大音量で聴いている生活スタイルが指摘されています。本来、耳というのは消耗品であり、使えば使うほど鼓膜への負担が増し、聴力は落ちるもの。ですから、従来は難聴といえば高齢者に多い症状でした。それが現在では若年層にもリスクが広がっている。ならば、鼓膜を使わない当社の骨伝導技術を事業化できれば、この難聴リスクの回避に貢献できると考えたんです。音を増幅させて鼓膜に強くたたきつける従来の補聴器ともまったく違う仕組みなので、既存の難聴患者に対しても救いとなる技術です。
「経営の可視化」が急成長を導いた
―製品の反響はいかがですか。
私自身も驚くような感動の声が多く寄せられています。先日も、78歳の男性から、「生まれつき聴こえなかった右耳の聴力を取り戻し、人生で初めて両耳で音を聴く感動を味わった」と感謝の手紙をもらいました。また、世界中の補聴器や骨伝導デバイスを試したが効果がなかったという17歳の難聴の若者が、当社の製品で聴力を取り戻し、家族に希望をもたらしたという報告もあります。
こうした例からも、技術の可能性は早くから確信していたので、当社は設立当初からグローバル展開を掲げていました。すでに中国、韓国では子会社を設立し、営業を開始。最初の製品輸出にこぎつけています。さらに台湾、香港での販売も間もなく開始し、北米、欧州への進出も視野に入っています
こうした例からも、技術の可能性は早くから確信していたので、当社は設立当初からグローバル展開を掲げていました。すでに中国、韓国では子会社を設立し、営業を開始。最初の製品輸出にこぎつけています。さらに台湾、香港での販売も間もなく開始し、北米、欧州への進出も視野に入っています
―事業展開のスピードが速いですね。急拡大はどのように成し遂げられたのでしょう。
最初に手をつけたのが、社内の「情報化」でした。当社は高品質なメイド・イン・ジャパンを標榜するものづくりベンチャーです。世の中にないデバイスをイチから開発・製造する企業であり、専用の製造装置も自社開発しています。そのため、事業化には大きな資金が必要になります。実働2年の会社で資本金13億円を集めた理由がそこにあります。技術・商品開発、量産技術研究や設備投資などを考えると、今後も資金調達はまだまだ必要です。そうなると、強固な経営管理体制の構築が、投資家などから強く求められてきます。
また、製造業においては、資材調達で長いリードタイムを要するものも多く、予実管理や販売・在庫管理を見誤ると資金繰りに窮することに。そのため、経営やマネジメントの「可視化」を最優先の経営課題と早くから位置づけ、クラウドERPを導入したのです。
また、製造業においては、資材調達で長いリードタイムを要するものも多く、予実管理や販売・在庫管理を見誤ると資金繰りに窮することに。そのため、経営やマネジメントの「可視化」を最優先の経営課題と早くから位置づけ、クラウドERPを導入したのです。
表の競争力と裏の競争力
―クラウドERPを選んだのはなぜですか。
当社のような新興会社には、経営の可視化のために大型のシステム投資をする資金的余裕はありませんが、クラウドERPなら最新の機能を必要なぶんだけ利用できます。さらに、グローバル展開を前提とする当社では、多通貨や多言語に対応したグローバル・スタンダードのシステムが必要でした。そうなると、必然的に選択肢は『ネットスイート(NetSuite)』にしぼられました。
―世界を舞台に活躍をめざす経営者にアドバイスをお願いします。
会社には「表の競争力」と「裏の競争力」があります。表は売上や製品性能、人気など数字で見えるもの。一方、裏の競争力とは業務遂行のスピードであったり、情報の「見える化」度合といった、表を支える経営管理体制。この裏の競争力こそ、企業の成長エンジンとして重要なのです。
■BoCo株式会社■
設立:2015年10月
資本金:1億円(資本準備金/12億1,750万円)
売上高:10億円(2019年8月期予想)
従業員数:30名
事業内容:骨伝導技術を活用したEarsOpen(EO)商品の開発・製造・販売、骨伝導ウェアラブル音声伝達機器の開発・製造・販売
URL:https://boco.co.jp/
設立:2015年10月
資本金:1億円(資本準備金/12億1,750万円)
売上高:10億円(2019年8月期予想)
従業員数:30名
事業内容:骨伝導技術を活用したEarsOpen(EO)商品の開発・製造・販売、骨伝導ウェアラブル音声伝達機器の開発・製造・販売
URL:https://boco.co.jp/
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