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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

日本オラクル株式会社 / RPAホールディングス株式会社 / BoCo株式会社 / ひので監査法人 / エクスポネンシャル・ジャパン株式会社

Special Feature

ベンチャー経営飛躍の「条件」

日本オラクル株式会社 / RPAホールディングス株式会社 / BoCo株式会社 / ひので監査法人 / エクスポネンシャル・ジャパン株式会社

※下記はベンチャー通信75号(2019年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
ベンチャー企業が成長するための「条件」とはなにか。この問いに、起業家支援の立場から「エクスポネンシャル(指数関数的)に成長する仕組みをつくること」と答えるのは、齋藤和紀氏。みずからファンドを立ち上げる傍ら、多くのベンチャー企業の経営支援にも携わり、シリコンバレーのVCや事業会社からの資金調達を数々成功させてきた財務経理のスペシャリストだ。ベンチャー企業の「成長請負人」に、ベンチャー成長の方法論を聞いた。

世界を席巻する成長企業 戦略には共通点がある

―エクスポネンシャル・ジャパンの活動内容を紹介してください。

 ベンチャー企業が世界を変えるイノベーションを興すための支援をしています。私の場合、財務経理の専門家として、成長ベンチャーのCFOとしての機能を提供しています。CFOは、単に財務経理の担当ではなく、経営者と一緒に伴走し、企業戦略に合わせた財務戦略を策定するのが重要な役割です。そのような人材は希少なので、多くのベンチャーでは戦略的なCFOが不在です。そこで、成長戦略や資金調達をハンズオン(※)で支援したり、ベンチャー企業の成長を後押ししたりしつつ、次世代のCFOを育てています。
※ハンズオン: 投資ファンドの出資者が投資先企業の経営に直接参画すること

―多くの支援経験から、ベンチャー企業が成長するために必要な「条件」とはなんだと考えますか。

 ひと言でいえば、エクスポネンシャル(指数関数的)に成長する仕組みをつくることです。つまり、人手や生産設備といった制約のあるものに依存せず、デジタルかつ自己増殖的に顧客や売上をスケールアップさせる仕組みをつくれるか。この考え方は、いま世界を席巻している成長企業の事業戦略に共通したものです。実際に、GoogleやApple、FacebookやAmazonの成長が物語っているとおり、その仕組みをつくれたプレーヤーが市場を瞬く間にドミネートしていくのです。

―デジタル化が進んだITの世界で起きていることですね。

 ええ。今後は、あらゆる業界で、物質的な制約から解き放たれて流通コストが限りなくゼロに近づくデジタル化が進んでいきます。たとえば、物流業。自動運転やドローン配送が実用化されれば、デジタル化が急速に進み、一気に効率化されていきます。また、金融業もキャッシュレス化が進み、結局データのやり取りでしかなくなる。いまや完全にIT産業と見なされています。医療さえも、遺伝子や生命情報をデジタル情報と考えれば、究極的にはIT産業といえます。製造業も3Dプリンターのような技術が普及すると、人手という制約に依存せず、デジタル化が一気に進んでいく。

 そう考えると、あらゆる業種・業態はIT産業であり、そこで企業が成長するためには経営情報自体をデジタル化し、自動化のプラットフォームに乗せられるかが勝負になるのです。

クラウドERPという方法

―そうなると、ベンチャー企業はなにをすべきですか。

 自動化のプラットフォームに乗せる前提として、受注、購買、会計、在庫管理など、あらゆる経営情報を指標化し、デジタル化しておくべきです。それには、ERPを活用するのもひとつの方法です。ERPを単なる会計ツールと考えるのは大きな間違いで、企業内のすべての経営行動をデジタル化し、「見える化」することに主眼が置かれたツールです。従来、ERPといえば、高額な投資を必要とし、構築や運用の負担も大きかったのですが、近年はクラウドソリューションが登場しているので、この仕組みを利用するのはよい方法だと思います。

「PMF」か「シリーズA」が導入のベストタイミング

―ERP導入による自動化への準備はどのタイミングで実行するのがよいのでしょう。

 ベンチャー企業の事業が本格的に離陸する段階で、管理部門の業務は飽和状態に陥ります。それが見えてくる直前が最適です。クラウドERPの導入ハードルが下がったとはいえ、ベンチャー企業は早すぎる導入によるキャッシュアウトに慎重であるべきです。市場を探索する試行錯誤の段階での導入はまだ早い。よって、勝ちパターンが見えた、いわゆるプロダクトマーケットフィット(PMF)の段階、もしくは、その前後にVCなどが本格的な出資をするシリーズAラウンドでクラウドERPを導入することをおススメします。同時に、導入から運用開始までの期間を短縮化することもコスト削減の意味では重要。そうなると、カスタマイズ化は極力避けるべきで、初期設定が容易なシステムが望ましいですね。
■エクスポネンシャル・ジャパン株式会社■
設立:2016年7月
事業内容:企業のイノベーション創出支援・コンテストの開催など
URL:http://www.exponential.jp/
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