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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
Special Feature
ベンチャー経営飛躍の「条件」
日本オラクル株式会社 / RPAホールディングス株式会社 / BoCo株式会社 / ひので監査法人 / エクスポネンシャル・ジャパン株式会社
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IPOやM&A、グローバル展開や資金調達…。前ページで登場した成長ベンチャー企業2社では、これらのターニングポイントに際し、経営管理体制の強化が迅速な経営判断を可能にし、その後の成長につながった事例を見てきた。では、いかにして強固な経営管理体制を構築すればよいのか。ここでは、公認会計士として多くの成長ベンチャー企業の経営支援に携わってきた、ひので監査法人の羽入氏に、財務会計の視点からその手法を聞いた。
※下記はベンチャー通信75号(2019年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
問われる情報管理能力
―昨今、ベンチャー企業でのIPO機運は高まっています。財務会計の専門家としてこの傾向をどう分析していますか。
インターネット社会の発達で、多様なビジネスが多様な主体から生まれやすくなっている状況を物語っていますね。ビジネスのあり方が大きく変わり、モノ+αの要素が付加価値の高いサービスを生み出しています。そこで注目すべきは、情報の重要性が高まっている事実です。ここでいう情報とは、インターネット空間上に浮遊するビッグデータやソーシャルデータばかりでなく、顧客情報や販売情報といった企業が保有する社内の経営情報も含まれます。市場競争を勝ち抜くためには、資産としての経営情報をセキュアに、かつスピーディに管理、分析できる能力が、企業にはますます問われてくるのは間違いありません。
―情報の管理能力が競争力を大きく左右すると。
そのとおりです。近年、IPOをめぐって「審査の厳格化」が指摘されますが、取引所や証券会社が求めているのは、企業の情報処理能力やタイムリーな情報提供力なのだと理解しています。この能力が十分ではない場合、不正確な内容や裏づけのない情報が開示され、企業価値を大きく毀損する事故につながってしまうのです。
こうした要請に対して、かつては経験豊かな管理系の人材が、社内の経営情報を収集して対処していました。しかし、ベンチャー企業では経験豊かな財務会計人材を確保すること自体、簡単ではありません。くわえて昨今は、あらゆる経営行動がデータ化され、社内で管理すべき情報量だけでも膨大です。しかも社内に広く分散して存在するため、経験に頼った管理が通用しなくなってきています。
こうした要請に対して、かつては経験豊かな管理系の人材が、社内の経営情報を収集して対処していました。しかし、ベンチャー企業では経験豊かな財務会計人材を確保すること自体、簡単ではありません。くわえて昨今は、あらゆる経営行動がデータ化され、社内で管理すべき情報量だけでも膨大です。しかも社内に広く分散して存在するため、経験に頼った管理が通用しなくなってきています。
キーワードは「情報の統合」
―どうすればベンチャー企業は情報管理能力を高められますか。
社内の情報システムを整備することを優先的に考えてください。とはいえ、ベンチャー企業の場合、大型のシステム投資は資金的にも時間的にも非現実的です。そこで、SaaSを利用するのがいいでしょう。現在はインターネット上に、各種機能に最適化されたアプリケーションが数々存在しています。そこから自社に最適なものを選択して使う時代です。ただし、これらの情報を最終的に適切な経営判断に活かしていくためには、各種情報を統合していくプロセスが重要になります。
―どういうことでしょう。
たとえば財務会計の場合、かつては正確に伝票処理を行い、証憑と照合、決算情報として集約し、意思決定者に伝えれば済みました。しかし、これからの時代、財務会計情報をはじめ社内の経営情報は、どのような場面でどういう形で活用されるかわかりません。たとえば、IPOに際しては監査法人や取引所、証券会社などから、迅速かつ正確な情報提供が求められ、要求に応じたアウトプットを臨機応変に作成しなければなりません。
変化に耐えられる体制を
―自社の枠組みで情報処理するだけでは対応できない、と。
ええ。ほかにも、いままで想定していなかった業種・業態との提携が生じた場合、同じ会計情報でも自分たちと相手側との解釈や処理方法にズレが生じるケースは少なくありません。また、デューデリジェンスを行う際にも、会計情報と人事情報を統合するなど、企業価値を正確に算定するために経営情報はさまざまに加工・分析されます。かりに、相手が外国企業の場合、通貨や言語、税制の違いにも対応しなければならない。そうした前提に立ち、スピーディに情報処理を行うことを考えれば、クラウドERPの活用がもっとも有効です。
ただでさえ、変化の激しい時代。成長企業は直面する事業環境の変化に耐えられる情報システムを導入し、経営管理体制を強固にする意識をつねにもつことが大事です。
ただでさえ、変化の激しい時代。成長企業は直面する事業環境の変化に耐えられる情報システムを導入し、経営管理体制を強固にする意識をつねにもつことが大事です。
■ひので監査法人■
設立:2009年5月
従業員数:20名(2018年1月現在)
事業内容:監査業務、株式上場アドバイザリー、アカウンティング・アドバイザリー、M&Aなどのコンサルティングサービス
URL:https://www.hinode-audit.or.jp/
設立:2009年5月
従業員数:20名(2018年1月現在)
事業内容:監査業務、株式上場アドバイザリー、アカウンティング・アドバイザリー、M&Aなどのコンサルティングサービス
URL:https://www.hinode-audit.or.jp/
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