Y&I Group株式会社　代表取締役　髙橋悠太

新たなポストをつくり、社員の成長を促す分社化戦略

―Y&I Groupにおいて藤澤さんはどのような領域を統括しているのですか。

　グループの主力であるIT関連事業の営業のほか、会社全体の事業戦略や組織づくりを統括しています。エンジニア未経験者も採用している当社では、提供できる技術を見極めたうえで、いかに顧客に満足してもらえるサービスを提供するかが重要になることがあります。そのため、人事部門とも密接に連携しながら、いかに顧客に対して最大の価値を提供するかを追求し、さまざまな事業・組織戦略を企画しています。

　私はIT関連事業が立ち上がったばかりの約4年前に入社し、営業職としてIT関連事業を見続けてきましたが、その実績が評価され、2021年10月から副社長としてこの事業・組織戦略の責任を負っています。

―この4年間で、会社はどのように成長してきましたか。

　「IT企業」として育ってきたという実感が強いですね。当初は事業に携わる社員のほとんどがプログラミング未経験者でしたが、そうした社員たちも、コーディングを行う「プログラマー」を経て、一連の開発工程にかかわる「エンジニア」として成長してきました。なかには、インフラ領域にキャリアをシフトしていった社員もいます。社員が各自の個性や強みを伸ばしていくことで、会社として提供できるスキルも多様化が進んでおり、より多くの顧客に満足してもらえる提案を行えるようになってきたと強く感じています。

　最近では、こうした社員の多様性を活かし、Y&I Groupの強みをさらに伸ばすための組織づくりに力を入れ始めています。

―具体的に聞かせてください。

　社内の事業部を分社化するという試みを行っています。これは、グループ会社に新設したポストへ社員に就いてもらうという「機会」を創出することで、社員の内面的な成長を促すことが最大の狙いです。同じ事業規模であるならば、社長のもとで「業務」を行う社員の数を増やすよりも、主体的に「経営」を行う社長の数を増やしたいと当社は考えるのです。この組織づくりにおいて新たなポストに抜擢する社員は、社歴や経歴などよりも、本人の成長性や、会社の理念に対する理解度の深さを重視します。分社化する事業についても、グループ内でシナジーが生まれるかどうかといった観点で検討し、多角的な効果が見込めるのならばすぐにでも実行していく方針です。

　当社ではこれ以外にもさまざまな「機会創出」を行い、社員の成長を促しています。

「顧客満足」と「人の成長」2つの観点から戦略を描く

―ほかにどういった「機会創出」を行っているのですか。

　たとえば、当社のエンジニアができる限り長期的に同じプロジェクトへ参画できる方法を顧客に提案することがあります。これにより、顧客理解をより深めながら関係を構築できるのと同時に、エンジニアは1つのプロジェクトに腰を据えて携わることで、より多くの開発工程に携わる機会を得られます。このように、「いかに顧客に満足してもらうか」という観点とともに、「いかに社員に成長の機会を与えるか」という観点をつねに大事にしています。

　その結果として、仕事を「社内」につくることもあります。いま私たちが普段使っている勤怠管理システムは、要件定義や設計といった工程を経験したことのない若手エンジニアにその実践経験を与えるため、あえて社内開発を行ったものです。

―今後、会社をさらに成長させるため、どういったことに取り組んでいきますか。

　社内に生まれる機会創出の「端緒」を見逃すことなく、引き続き、社員の成長を事業の成長につなげていく事業・組織戦略を推進していきます。当社の社員がつねに新しいことに挑戦し、自らを成長させていくことで、会社として提供できる価値は高まっていきます。そして、顧客からは「Y&I Groupだから開発をお願いしたい」と言ってもらい、さらなる挑戦の場を社員に提供できるようになる。そんな好循環をつくっていきたいですね。

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